837「映画「インビクタス」と南アフリカ」(2月9日(火)晴れ)

朝は4度、日中は20度を越え熱く感じた一日。
クリント・イーストウッド監督最新作「インビクタス/負けざる者たち」を見る。
10時半開演のところ、余裕を持って10時過ぎに劇場に入ると一番のりであった。まもなく人が増えたが、前の列に五人ほどのいかつい学生。同行のガールフレンドのAさんによればどこかの大学の「ラグビー部」らしい。
ネルソン・マンデラ(1918-)は、南アフリカ共和国の政治家・弁護士。

Wikipedeiaによれば:
テンブ人の首長の子として生まれ、大学で法学部に在学中からアフリカ民底会議(ANC)に入党。1952年に弁護士事務所を開設し、ANC副議長。しかしウムコント・ウエ・シズウエ(民族の槍)なる軍事組織を作ったことで逮捕、1964年に国家犯罪終身刑となりロベン島に収監される。1989年に当時の大統領フレデリック・デクラークと会談。釈放後ANC代表。デクラークと共にノーベル平和賞受賞。1994年大統領に就任。
暫定憲法の権力分与条項に基づき国民党、インカタ自由党と連立政権をたて、国民統合政府を樹立した。ネルソンは民族和解・協調を呼びかけアパルトヘイト体制下での白人・黒人との対立や格差の是正、黒人間の対立の解消、経済不況からの回復として復興開発計画(RDP)を公表した。
1999年に引退し、2000年に国連で初めて演説。現在はユネスコ親善大使。結婚は3度経験。40年近く連れ添ったウイニー夫人と1996年に離婚、モザンビークの初代大統領で飛行機事故でなくなったサモラ・マシェルの未亡人と、3度目の結婚。現在に至る。

さて映画の話:94年に大統領となったマンデラはアパルトヘイト廃止後の国民を団結させるために、ラグビーのW杯で自国代表チーム(愛称・スプリングボクス)の応援を呼びかける。白人中心のチーム、しかし黒人が要求するチーム名変更等を受け付けず、チーム主将のピナールを呼び励ます。肉と肉とのぶつかりあいと言う感じのラグビーの試合場面が圧倒的な迫力で全編を覆う。マンデラ自身、大学でラグビーをやったらしい。そのためか国際的な話もそっちのけで、ラグビーの試合に興じている様子が映し出される。
そして大統領の期待通り、最後はニュージランドのオールブラックスと決勝戦で勝利し優勝。黒人も白人も一つになって国の勝利を祝う。
話の結果は、見えているのだけれども、なかなか興奮させられるし、単純ではあるが人に一見を薦めたくなる映画に感じた。本年度アカデミー賞で、マンデラ氏を演じたモーガン・フリーマンが主演男優賞に、チームのキャプテンを演じるマット・デイモンが助演男優賞にノミネートされているそうだ。

この映画のコメントを書こうと思って、ウエブサイトをいくつか見てみた。その中に「イーストウッドがオバマにむけたメッセージ?」というものがあった。
この映画に感じたこと:
「本人が意識しているかどうかは別にして、イーストウッドの映画はいつも「アメリカ論」の色彩を強く帯びる。今回も10数年前の南アフリカを舞台にしつつ、実は今のアメリカを、あるいは今のアメリカに向ける想いを描いているのかもしれない。」(アメーバニュース)とし、最近苦戦中のオバマにしっかりしろと呼びかけている。
しかし私自身は、つい日本の現在の政治家と比較したくなった。マンデラのような何か胸の中から情熱が迸り、同調したくなるような政治家が出ないものだろうか。

最後につけたり。時々証券会社が言うのである。「南アフリカはこれから期待できる国ですよ。ランド(同国通貨)の債権を買いませんか。」南アフリカ・・・・私には地球の裏側より遠くにすら見える国、もちろん行ったことがない。マンデラ大統領の希望が現在どのようか考える意味も含めて、ウエブサイドの記事をまとめておく。
120万平方キロ、つまり日本の3倍以上の大きさ土地に5000万人。GDPは神奈川県より少し少ない程度の規模。黒人75%、白人9.5%、ほかに混血など、黒人は他民族に分かれ多くの言語が使われている。宗教は8割がキリスト教徒。特産品は鉱物、特にダイヤモンド、ワインも結構取れるらしい。21世紀になっても徐々に改善されてきているものの、アパルトヘイトが大きな教育水準格差を生み出したために、人種間失業率格差が大きい。同時代に教育を受けた黒人は、炭鉱労働者などに職が限定されるのである。またエイズの蔓延、教育水準の低い非白人の貧困、治安の悪化など問題点が多い。

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