日中の歴史有識者による歴史共同研究の報告書が発表された。
この研究は、平成18年安倍内閣のときに、胡錦濤国家主席との間で始まったものだそうだ。
31日に報告書が公表されたが、「天安門事件」(89年)などを含めた第二次世界大戦後の現代史部分は、国内世論への影響を懸念する中国側の要請で非公表とされた。
YAHOOニュース毎日新聞中澤氏に寄れば
「中国側は、南京虐殺事件について「第二次大戦で敗戦後、極東国際軍事裁判で、日本国民は初めて日本軍による暴行の真相を知った」と批判。同裁判と南京国防部軍事裁判所の判決などを基に「被害者数は延べ三十余万人」との従来の見解を示した。これに対し、日本側は「20万人を上限に4万人、2万人などさまざまな推計がなされている」と反論して、溝が埋まらず、両論併記された。また日本側は、犠牲が拡大した「副次的要因」として「中国軍の南京防衛作戦の誤り」などを指摘し、引き続き検証作業が必要との認識を示した。1937年の盧溝橋事件では、中国側が「偶発性があるかもしれない」と、一部歩み寄る姿勢も示したが、「歴史の推移からみれば、必然性も帯びている」と、日本の侵略計画が一貫していると批判した。日本側は「紛争解決に努力したものの関東軍などに押し切られたとの認識を示した。」
非公表のはずの第二次大戦後(1945-08年)以降、近現代史部分を、毎日新聞が入手した、として発表している。インターネットを開けば外務省が全文を公表したようだからそのことをさしているのかもしれない。500ページ余りあるといい、とても個人で読む気までは起こらぬから毎日新聞記事等をひきながら話を進める。
報告書は、戦争終結から日中国交正常化まで(1945-72)、新時代の日中関係(1972-08)、歴史認識と歴史教育に分かれているようだが、その主な争点は
東京裁判・戦争責任=中国側は、戦争犯罪を懲罰し人類の正義を広めたが、米国による日本の戦争犯罪の追及が不徹底で侵略の歴史を否定する勢力が残されたとする。日本側は、日本の行為を正当化するものではないとしながら、敗者に対する勝者の懲罰、大空襲や原爆の責任が暴かれず、60万人を違法にシベリアに抑留させたソ連が何故裁く側にいるのかなどとした。
天安門事件=中国側は、中国で起きた政治騒動と簡単に触れた。日本側は中国共産党が人民解放軍を出動させ、学生・市民の民主化要求運動を武力弾圧した事件とした。
愛国主義教育=中国側は、一貫した歴史教育の一つで、学生に祖国熱愛と国家建設に貢献する精神を養うものとした。日本側は、西洋崇拝思想を防ぐためのもので、結果として反日感情を高めた、としている。
首相の靖国神社参拝=中国側は東京裁判を否定するものとした。日本側は、参拝目的は「戦没者の追悼と平和祈念」とし、中国の強硬な反発は「内政干渉」と理解され日本国民の反発を招いた。(一部編集)
日中両国の「歴史認識問題のトゲを抜く」ことを目的に、始まったようだが、結局は「有識者の個人的な意見」のそれぞれの開陳ということで終わっているようだ。中国側は、中国政府の意見が反映されやすいとされる北京大学や社会科学院などの研究者、日本側は、北岡伸一座長をはじめ保守論壇で活躍する政治学者らが中心だったという。
考えてみれば国家がお互いの歴史認識の溝を埋めるために行なう会議、それが政治に影響しないわけが無い。とすれば、その人選が国益を考えて行なわれ、任命された者もその辺を意識するのは当然の話になる。正直に腹を割った話など出来るわけがない。特に中国の場合は、言論の自由の保障されない国、発言を考えるのは当然である。
第二次共同研究のための人選が進められていると聞くが、一つ心配なことがある。日本の民主党政権は、まだ中国に対し国益をどう考えるのかスタンスがはっきりしていないように見える。将来にわたった国益のことを十分に考えてほしいと感じる。
メデイアの一部が、1月中旬に中国側が鳩山首相の南京訪問を要請した、と伝えた。どこまで真実で、どのような流れになるのか庶民では分からぬが、この歴史認識問題を勘案すれば、まだまだ早い、先方に利用されるだけ、との感を持たざるを得ない。
最後にふと思う。紳士的な付き合いとは、お互いに考え方の違い、立場の違いを認識して、相手の立場を尊重し、都合の悪いところは時には隠して、その時々の成果を得ようと努力して行なうものではないのか。国家間で、歴史認識を無理やり一致させる必要があるのだろうか。背景に世論があり、政治があるなら第何次までやろうとも埋まら無いと思うし、また日本側がこんなことで妥協させられてはならない。
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読者から次のようなメールをいただきました。
去年9月の政権交代から現在にいたるまでの、民主党政権の対中外交が辿ってきた軌跡を見れば、この政権はあたかも外国の「傀儡政権」となったかのごとく、北京の政府に自由自在に操られながら中国の属国化への道を一直線に突き進んでいることが良くわかる。
例えば、民主長政権は設立当初から、病的なほどの極端な「媚中姿勢」と、「東アジア共同体建設」という妄想に近い、幼稚極まりない「外交ビジョン」を打ち出してそれを熱心に進めようとした。が、老獪な北京政府の目には、それが東アジアにおける中国の覇権樹立のために大いに利用すべき日本の弱みとしか映らなかった。
その結果、日本外交の基軸であるはずの日米同盟は壊され、日本は安全保障の後ろ盾を失って中国の軍門に下っていかざるを得ないという、中国の国益にとってこの上ない望ましい状況が作り上げられた。
小沢氏の朝貢外交は目に余るものであり、なかでも、天皇陛下を北京への貢物とした傲慢不遜の態度は取り返しのつかない愚行である。
中国は日本国にとって至上至尊の存在である天皇陛下にまで無理を強いることができるととすれば、中国は実質上、日本に対して号令するような立場になったということである。
予想外の大成功を収めた後、中国政府が「日本属国化計画」の仕上げにどんな仕掛けをしてくるのか。
幾つかの新聞報道によれば、中国政府は今年の6月ごろに鳩山首相の南京への訪問を招請する代わりに、11月ごろに胡国家主席の広島訪問を検討するような「相互訪問案」を抱いており、日本政府に非公式に打診していることが明らかになった。
鳩山首相が南京に行く、その代わりに胡主席が広島に来る、形式的には一見、立場の釣り合うような「対等的首脳外交」であるかのように見えるが、実際には全くそうでない。
この「相互訪問案」はむしろ、日本を一方的な不利な立場に追い込もうとする中国の大いなる陰謀であろう。
今のところ、鳩山首相の「南京訪問」に対して、平野官房長官は記者会見では一応、「現時点ではその考えはない」といって否定しているが、「現時点でその考えはない」がイコール「今後もその考えはない」ではないし、中国側は自らの企む陰謀をそ簡単に放棄するとも思えない。
そこに、小沢のカードを使ってくるかも知れない。
それは、絶対あってはならないことである。