852「「絶対ボケない生活」・・・廣済堂出版」(3月31日(水) 晴れ)

著者フレデイ松川は、認知症と早くから向き合い、三十年以上患者診てきた医師。
いかにも現場の経験が豊富な書きぶりがうれしい。
よく話を聞いていないと、ボケているのかどうか分からない人も多いそうだ。
「認知症とは「粗大なる記憶障害」により、自分で行なった行為自体をすぐに忘れてしまったり、「見当識」を失い、自分の目の前の相手が誰だか、今何月何日か、さらには自分のいまいる場所すら分からない状況をいい、やがて、徘徊をはじめとする通常の一般的な社会生活を営めなくなる「進行性」の病気である。」
家族は、細心の注意を払ってボケが出たか、どうか観察する必要がある。進行性であり、それは家族崩壊にまでつながる恐れがあるからだ。
認知症の種類には脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭・側頭葉型認知症がある。ここから先の議論はそのどれをこの4つのどれを対象としているのか、やや判然としないが、一応すべてと解釈すべきであろうか。

人はなぜボケるのか、新たんぱくしつ、遺伝子などいろいろ研究されたが決定打は無い。薬にも決定打はまだでていない。しかしたとえば鉛筆を認識するとき、まず視覚を司る後頭葉が働き、記憶を司る側頭葉が過去の記憶から鉛筆と判断し、運動を司る前頭葉が働き口に出して鉛筆という。ボケている人は、前頭葉と側頭葉の血液の流量が少ない。これらへの血流の慢性的不足がボケを生む。逆に言えばここに多量の血液が流れ込んでいればボケない。前頭葉は意思、計画、意欲、感情、運動など、側頭葉は知識、理解、聴覚などを司る。従ってこれらを働かせる脳の上手な使い方をすれば、人はボケないですむ。
少し違った言い方をすると、偏った脳の使い方をしている人がボケやすい。「人は長い間の消極的な知的生活および貧しい精神生活によって脳の神経細胞が減少し、それによって記憶力、思考力が低下し、認知症を発症する。」

その結果、職業でボケる可能性のある人は意外に分かるものである。
公務員のように「大過なく」「つつがない人生」というのは、「刺激の少ない」、「頭を使わない」人生と同じである。・・・・・もっともボケやすい。逆に政治家はボケない。
学校の先生も危険度80パーセント。特に中学高校の古文、地理、歴史、社会などの人文系の教師はボケやすい。事務職もボケる。逆に営業マン、広報マン、宣伝マンはボケない。
主婦はボケやすい、逆にバーのマダムはボケにくい等々。
また性格や生活スタイルからボケる人、ボケない人が分かる。
「几帳面な人はボケる」・・・・「なんとかなるさ」は、ボケない。/「エッチな人は、ボケ知らず」/「親孝行がボケを呼ぶ」/「鬼婆が、母親をボケから救う」
家庭環境でもボケる人、ボケない人が分かる。
「夫は妻を失うと、ボケる。」/「出来の悪い息子や娘を持つと親はボケない。」/「尽す妻はボケ、浮気妻はボケしらず」/「マンションより一戸建てのほうがボケが少ない。」
ここには恐ろしいことが書いてあった。
「高齢者の場合、奥さんがなくなると、夫は3年以内に死ぬ確率が高くなる。」もう3年過ぎたから大丈夫というべきか。そんなことは無い、皆さん、同情してください。

そして4章に著者は「今日から出来る絶対ボケない生活」を記述している。
まず前提に、「ボケるか、ボケないかは定年後の生き方で決まる」
まず「朝、目覚めたら体を動かすこと。」今日の予定を確認し、食事をする前に、身支度を整え、散歩に出かけよう。散歩は写真を撮るなど何かの研究散歩がいい。さらに「ボケない歩き方がある」が提案されている。
日々の行動では
「脳を喜ばせる新聞の読み方」/「新聞の「投書」欄に反論を」/「料理する夫はボケない」/「社会と交わらないとボケ一直線」/「地域の人に挨拶をしよう」/「電車に乗る、バスに乗る」/「ゴルフやテニスもいい」/「徹夜マージャン大歓迎、競馬もOK」/「カラオケは最高のボケ防止」/「いつでも持ちたい恋心」/「同窓会では初恋談義を」/「田舎に住むな、都会の雑踏に生きろ」

最後に家族に対してボケを発見するポイントが記述されている。皆さん、ご自分に当てはめてどうですか。新書版で読みやすく、私と同年輩以上の人には特に一読を薦める。ただ一つだけ対処法が書いていないことが気がかり。
「幸いなことに私はまだボケていない。・・・・・と自分では思っている。しかしボケが怖いし、私がボケたら誰が発見してくれるだろう。自分で自分のボケを見つける方法は?」

註 ご意見をお待ちしています。
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