亀井金融・郵政担当省のごり押しで、ゆうちょ銀行の預け入れ限度額を現行の1000万円から2000万円、かんぽ生命の保険金限度額を1300万から2500万にすることが閣議決定した。今国会の会期中成立を目指し、施行は来年の10月からに成る見通しとか。
銀行の預金の補償限度額が1000万円、いいかたはやや違うがゆうちょ銀行の方は2000万円、ゆうちょ銀行に資金が集中し、民業圧迫に成るのではないかとの心配されている。特に中小都市銀行にとっては・・・。しかしこれはやってみなければわからないような気がする。
このところ郵政事業は、民から官へ一直線のように見える。現在の5社体制から、持ち株会社と郵便事業会社、郵便局会社を統合した親会社と、その傘下に置く金融2社の3社体制に再編。政府から親会社、親会社から金融2社への出資比率はどちらも3分の1超にする。つまり私企業という側面を形だけは残しながら、官の自由にするということだ。その上非正規社員10万人を正規社員にするという。
亀井担当相は、郵便のほか貯金、保険にも新たに全国一律サービスを義務づけるため、「国や地域の期待を果たすには政府の関与はどうしても必要」と政府出資の必要性を強調する。
郵便貯金が出来た頃、郵便局に預けられた金は大蔵省に入っていた。簡易貯金で集めた金も一緒に財政投融資の名の下に政府が行なう都市整備や生活環境の整備に回されてき。具体的には日本道路公団などさまざまな特殊法人に貸し付けられてきた。
いくらでも貸してもらえるものだから無駄なものも随分作った。仕事に意味がなくなって資金を確保するために、役割を終えた特殊法人を存続させた。多くが不良債権化した。それを税金で穴埋めせざるを得なくなった。
そこで小泉政権は、特殊法人に金が流れないようにすれば問題が解決すると考えた。「特殊法人改革」「財政再建」を狙って郵政の民営化を行なった。具体的には「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命保険」「郵便事業会社」「郵便局会社」に分社化、このうち最初の二つについては株式を徐々に放出し、完全民営化しようというものであった。
ところ政権が変わり、もともとが郵政民営化反対からスタートした国民新党が政権に加わった。民主党のマニフェストには「国営や公社に戻さない」といっているが、まさに逆戻りを始めたようにみえる。そしてまたぞろ、ゆうちょに集まった資金の使い道がささやかれ始めている。国債を買うか、あるいは利益は出ないが日本や公共のためにあったほうがいい事業に投資してはどうか等々。形を変えた財政投融資の復活にみえる。今度は国民の目に見えるようにする、というから、まさか無用の特殊法人に投資したり、簡保の宿のようなハコモノを復活したりすることは無いだろうが、行なうのは資金運用能力ないお役人等である。膨大な預貯金だからすぐには影響が出ないだろうが、いづれおかしなことになると信じる。
また政策が正しいかどうかは別にして、私はそもそも全国一律サービスが必要なのか、というところに疑問を持っている。郵政民営化に賛成である。多少簡保施設の売却などに問題があったとはいえ、小泉改革は正しかった、と信じている口である。
郵便局の全国一律サービスは行政として指導するべきものだが、出来なくてもかまわない、と考えているし、政府がやっても完全には出来るわけがない、と信じる。
都会と田舎の差は何か。同じようなサービスが必要なのだろうか、と考える。
田舎は不便である。誰かの歌にあったが、電気が無い、ガスがない、鉄道が無い、バスが無いコンビニがない、医療施設が無い等々。みんなあった方がいいに決まっている。
しかしそのコストは誰が負担するのか。都会の人間に負担しろ、というのか。もちろんすべて事業は採算中心で考えればいい、というものではない。できるだけ多くの人が一律料金で利用できることが望ましい。しかしおのずと合理が求められる。民間は自分の資金の中で採算をとらねばならぬから、その範囲で出来ることをするまでだ。田舎は不便であっても仕方が無い。いやならもっと便利なところに引っ越せばいい。
最後に一番気にいらないのは政策決定のプロセスだ。国民のわずかの支持しか得ていない党、国民新党党首が選挙目当てに自分の意見をごり押しした。反乱を恐れて日本の将来など考えることも無く、政権がえいやで決定した、民主的な決定などふっとんでしまった、私にはそう映る。皆さんにはどう映りましたか。
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