858「民主主義への疑問」(4月15日(木)雨)

4月とは思えぬ寒さ、しかもこの寒さはここ2、3日続き、明日は雪が降る可能性まであるとか。いつも日記に何を書こうか、と考えている。若い頃のように多感でもなく、子達のいる家庭も無く、悠々自適といえば聞こえがいいが、穴の開いた風船のような日々を送っている。トピックスが無いから日記が書きにくい。
そこで最近は心に思ったことを思い切り書いてみよう、と考えた。

自民党は新党ブームで、どうなってしまうのか分からぬ。「自民党融解」と書いた新聞記事まであった。民主党もあちらから突き上げられ、こちらから突き上げられ、重要なことが少しも決められぬ。みんなが自分の意見を持つのはいいが、これでは日本丸はどこに行ってしまうのだろう。
現在の政治の状況に、ゴマメの歯軋りよろしく不平を呟く私は、最大限個人個人の意思を尊重する民主主義とは何だろう、本当に一番いいシステムなのか、と考える。

民主主義は国際関係では認められていない。国連は国家が一票を持ち、しかもその強さがしがらみや国家の力によって変るのだから・・・・。原点からしておかしい。
ところがその下にある多くの国は、広い範囲で民主主義と呼ぶものを標榜している。日本の場合は、国民個人が平等の権利を持つ民主主義に立脚している。いかにも公平なようだが生み出しているところのものは、衆愚政治のにおいがしないか。結局は、声の大きいものの意見だけがまかり通る世の中ではないのか。
国民のためによい生活といいながら、自分に都合のよい政治であり、行き着くところは独裁ではないのか・・・・・。また国民は本当の民主主義を望んでいるのか、それとも強力なリーダーシップを誰かが発揮することなのか。

そんな思いでウイキペデイアの「民主主義」という項目を検索した。以下抜書き。
「民主主義または民主政・民主制(democracy)とは、諸個人の意思の集合をもって物事を決める意思決定の原則・政治体制をいう。」
しかしながらそこには大きな危険性を孕んでいる。
「民主主義の対立概念として独裁主義を用いる慣用例もあるが、寡頭制の鉄則という言葉があるように、どのような体制であっても権力は究極的には集中するものであり、独裁主義に対置するものは、正確に言えば民主主義というよりも自由主義である。民衆が独裁者に政策運営の全権を委任した場合、民主制度と独裁政は矛盾しない。」
「為政者が少数派の政治活動や、言論の自由や思想の自由を弾圧するようになれば、たとえ大衆の支持があったとしても独裁的(非自由主義)と言う。」

「どのような体制であっても権力は究極的には集中する」との言葉が私には強く実感させられる。また同時に衆愚に陥ることを恐れて、識者たるものは民主主義の成功の前提条件を言い出す。
「国民の有権者全体が知的教育を受けられること、恐怖や怒りなどの感情、個人的な利害、マスコミによる情報操作や扇動などに惑わされず理性的な意思の決定ができる社会が不可欠である。逆の言い方をすれば、民主主義を無条件に広めると、知的教育を受けていないもの、恐怖や怒りなどの個人の感情や利害損得に影響されやすい非理性的なものも有権者となり、結果として衆愚政治となりかねない危険がある。」

民主主義に対する強烈な批判:
「ヒトラーは、議会制度は無責任な政治体制だと指摘する。政策が間違っていても誰も責任を取らず、議会がただ解散されるだけであることを指摘し、大衆は嘆願者よりも支配者を愛し、カリスマ的支配、指導者原理が重要と説いた。」〔編集〕
「イギリス首相を務めたチャーチルは「実際のところ、民主政治は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた、他のあらゆる政治形態を除けばだが」と述べた。 」

これらの批判があるにもかかわらず、現在、民主主義体制は世界中の先進諸国に普及し、安定した政治体制を築いている。この理由として、「歴史の終わり(民主体制永遠論)」を説いたフランシス・フクヤマは、
「人間の持つ気概、優越願望、ルサンチマンの存在に注目している。民主国家では、言論の自由が与えられているため、いくらでも権力者である政治家を批判、弾劾、ときに揶揄することができる。風刺漫画やワイドショーで滑稽に描き、その姿を笑うことができる。どんな大物政治家も選挙で落選させることができ、どんな巨大政党も、一回の選挙で弱小政党に転落させることができる。」

ウイキペデイアは最後に次のような言葉でまとめている。
「民主制度は、もっとも的確な政策を決定できる政治制度ではなく、国民の支配者に対する不満や嫉妬感情を効率的に消化、分散、ガス抜きできるために、もっとも内乱や革命が大規模化しにくい政治体制なのである。」
抜書きばかりのエッセイで申し訳ありません。しかしみなさんはこの問題、どんな風に考えられますか。

註 ご意見をお待ちしています。
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読者から次のようなメールをいただきました。

私もいつも、「民主主義」が最善の統治システムなのか、疑問に思っている一人です。

他の政治システムより、より危険性が少ないシステムとして、いわば消去法で、選択されているのではないかと思っています。
いつでも衆愚政治に陥る危険性を内蔵しているシステムだと思います(特に咋今は)
独裁主義に対置するのは「民主主義」では無くて「自由主義」と言うのはその通りですね。
「戦争と平和」と比較してどちらを選ぶかという議論と似ています。
平和に対置するのは平和ではない状態、無政府状態、外国から侵略をされている状態などいわば騒乱状態ではないでしょうか。
戦争に対置するのは話し合い、(外交交渉)だと思います。
あらまほしき状態(平和)実現するための手段として話し合いなのか戦争なのかではないでしょうか。
このあたりがよく整理されていないような気がしています。
話は変わりますが、新政権は子供手当ては消費を喚起して日本経済を活性化させると主張していますが、予算作成時の仕分けより、決算で、本当にどの程度の効果が有ったのかを検証してもらいたいですね。ばらまきのお題目をいろいろ掲げても、選挙目当てではなく真に効果が有ったのか公開の評価委員会をやってもらいたいですね。
このままでは、日本沈没しそうで、ご隠居としては心配で、夜も眠れません。