864「普天間基地問題に思う」(5月2日〔晴れ〕)

これも友人からメール。
「「国」とは何かもう一度皆で考えてみるべきではないかと思っています。
現実の国際政治は、それこそ厳しい鬩ぎ合いをしているのに、国の安全保障には無頓着(日本が戦後いち早く経済再建出来たのは、日米安保条約のおかげだと私は思っていますが、憲法9条のおかげだと主張しているグループもあります。どちらが正しいのでしょうね)
ローマ帝国ではローマの市民は優遇されましたが、兵役が絶対の義務、属州にもいろいろあったようですが、戦費を負担することでローマの保護を受けていました。今の日米の関係になぞらえて考えさせられます。日本国民の場合、直接税は納税しなくて(全部ではありませんが)、兵役の義務もなくて、国家の庇護は受けていて、まさにこの世の天国ですよね。日本国民として生まれたことに感謝していればまだ救いはあるのですが、訳がわかったようなことを言う頑固なインテリが日本の悪口を言って優越感に浸っているのは片腹痛しです。」

米軍普天間基地問題の決着の期限である5月末まで、後一ヶ月、しかしなかなか解決の糸口は見つからないようだ。ようやく鳩山首相自らが動き出したが、遅すぎると言う感じもするし、それで解決できるほど簡単でもなさそうだ。
日本経済新聞の最近出た論説「日米安保50年・・・・普天間が問うもの」が興味深かった。
首相筋は、最初この問題を甘く見ていたようだ、と書き出す。
「官僚が交渉してもだめでも。オバマ大統領と直談判すれば何とかなるのでは。」しかしそんな幻想は大統領との10分の会話で吹き飛ばされたようだ。徳之島など打開案は出るものの地元が反対、米国も話し合いには応じるものの「機能上話にならぬ。」としたとか。
普天間の問題は日米関係という点で捉えれば日本だけの問題ではない。韓国は北朝鮮に神経を尖らし、東南アジア各国は南沙列島領有などをめぐって中国と対峙している。そんな状況で沖縄の米国軍は唯一の頼り。もちろん、これらに比べ直接影響を受けるのは日本。「最近起きた中国軍による海上自衛隊の艦船への接近事件は、その兆しに過ぎない。(防衛賞幹部)」の指摘がうなづける。
尖閣列島周辺の航行など、中国側は日本列島から沖縄、台湾をつなぐ「第一列島線」と呼ぶ防衛ラインを越え活動を広げている。ところが鳩山首相周辺の反応は鈍い。中国軍の増強が問題になったとき、首相が漏らした言葉「何とかしなければいけない。中国側ともっとよく話し合い、緊張が高まらないようにしよう。」国と国の話し合いが奏功せず、危機に陥ることもある。そうした事態に備える安保の意識が薄い。
それでも安定が保たれているのは在日米軍、横須賀を母港とする第七艦隊の存在だ。では日米同盟なしで自主防衛が出来るのか。10年度の防衛費は約4兆7000億円、国内総生産(GDP)の0.9%に過ぎない。米国は4%、韓国は2.6%、英国は2.4%、ドイツは1.3%だ。対等な日米関係を考えて、もし英国並みに増やそうというなら、約12兆5000億円必要、一般会計歳出仲で最も大きい社会保障費の半分近く必要だ。それが出来るか。」

これから先、予断を許さないけれども、一つ心配していることがある。
ある日、アメリカは「じゃあ、沖縄の米軍はグアムかテニアンに引き揚げます。ついては引越し費用は面倒を見てください。」と言い出すのではなかろうかと。
アメリカにとって沖縄の米軍は、日本のためにおいているわけではない。自国の権益確保のためにおいているのだ。アメリカとしては、中国やロシアの脅威に第一次防衛ラインを日本、沖縄、台湾のラインで考えているらしい。しかし日本が出て行けというなら、グアムやテニアンに第一防衛ラインを下げることは可能であろう。
もともと日本に米国の防衛など必要ない、なぜなら今は平和な時代、戦争など起こるわけは無いのだから・・・・・・。この議論は気の弱い私はとても信じるわけにはならぬ。
日本の防衛予算は安すぎるのだろうか。ある人は対GDPで見れば安いが、絶対額では安くない。それゆえ予算を増やす必要は無い、と言っていた。それならアメリカ軍は「独活の大木」だったのか・・・・。何らかの役に立っていたはず。その穴埋めのための予算は増えると思うのだが・・・・・・。どなたか教えてください。

〔後記 5月16日〕
追い詰められて鳩山首相は、「沖縄の米軍が抑止力として効果が大きいことを知らなかった、米軍基地が国外では問題があると分かった、だから沖縄や徳之島は妥協して・・・・」などと言い出した。そして5月末決着が出来なかったら辞任するべきだ、との見方も「出来るだけのことはやる。」などとごまかし始めた。ひどいものである。強いことを言っておいて知らなかった・・・・友人同士の間では通るかも知れぬが。そんな弁を聞かされる国民こそいいツラの皮である。
こんな意見もあった。自民党政権が何年もかかって解決できなかった問題を解決しようとしている。総理の座に居座って何が悪い!長い期間かけて解決すればいい。自民党政権はひとつの結論を出していたのである。それを寝た子を起こすみたいに鳩山首相は問題を広げてしまった。鳩山さんのお勉強の時間を日米双方で待てというのか。

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