歳のせいだろうか。このごろ元気な子供をみるとひどく可愛く感じる。
朝のラジオ体操に、夏休みの子供ラジオ体操会がもう終わったというのに、やってくる姉妹がいる。姉のほうは大きいがあどけない顔をしており、3年生くらいか。妹のほうは1年生だろう。指導員に大北先生という女性がいるのだが、二人は彼女が大変気に入っているらしい。
特に小さいほうが熱心で、腰を前倒しにし、手を前から横に広げる運動では互いの手を触れさせあって喜んでいる。小さいから身が軽く、ジャンプで、そっくりかえって跳ね上がるみたいにするのが実に可愛く、こちらも元気を分け与えられるようだ。
ところで今日書こうとするのは、バスの中におけるこういう子供の扱い方である。
優先席というのがある。あれは老人、妊婦、怪我している人の優先席である。そのようなシルエットが貼り付けてある。
あそこに座るか座らぬかは余程老人になれば別だが、60から70くらいだと躊躇するものである。老人というのは何歳から言うのだろう、60以上なら私にはその権利があるようにも思えるが、座るとずいぶんの年寄りにみられそうだ、それに座った場合、私よりもっと年寄りがきたらどうしよう、などとあれこれ考える。
若い女性などがそんなところにたまに座ることがあるがそれは論外というものである。そういうことが起こらないとその席はバスが発車するまで空いている。
すると4から5歳の子供をつれた白髪の老人がやってくる。老人は子供に座らせ、にこにこと子供の機嫌をとるなどしている。するとまた若い母親が小学生くらいの娘を連れてやってきた。あいた最後の席に娘を座らせる。
こういう甘やかしが私は気に入らない。
老人が座るのはかまわない。母親でも荷物が多くて子供にも手間がかかるとなれば仕方がないかもしれない。しかし子供を座らせるべきではない。いくら子供がかわいいといったってこれでは子供に自分が楽をするためには、ルール違反をしてもかまわない、と教えているようなものではないか。
このように育てられた子供は成長したって、社会ルールなんか平気で破るようになるんじゃないか、と思う。
夜、遅くなる。我が家の当たりは典型的な住宅街である。そこを爆音を響かせてオートバイで疾走するものがいる。我が家の向かいは日本銀行の社宅である。ブロック塀がえんえんと続いている。そこに墨痕ならぬマジック痕あざやかに落書きをしてゆくものがいる。塀にそってゴミの集積所がある。そこは我が家を含め数件だけがゴミを出す場所である。ところが関係ない奴が集荷日でもないのにゴミを捨ててゆく。それをからすがつつき、道路が汚れる。
みな、取るにたらぬ悪事かもしれない。ほんのちょっとルールを大事にしようとする心がけや思いやりがないだけのことだ。本人たちだってそれほど悪いこととは思っていないのに違いない。しかしこういう小さな行為が町を荒れさせてゆく。
その元をたずねると、バスの中の優先席利用みたいな小さな大人の子供に対する甘やかしからスタートしている、と思う。可愛くて仕方がない子供だからこそ、甘やかしは避けたいものだ。
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