為替相場は、本当はどのような水準にあるべきか。いろいろな理論が出ている。しかし本当のところは株式の価格が分からないように、玄人にも分からないものなのではないか。それを素人が知ろうとしても絶対に無理。FX相場など絶対に張るものではない、と考えている。しかし外貨建ての資産を、少しでも持っているのなら自分で考えてみることは大切ではないか。それだけでもボケ防止になり副次的効果を生むかも知れぬ。
少し外国の投資債権を持っているので、この4月くらいから自分の関連する資産がいくらになったか、為替相場はいくらか、記録している。記録が負担になるのもいやだから、1日エクセルの画面に1行、債券の価値は証券会社の自分の口座から拾い、為替相場はYAHOOサイトなどを利用する。債券相場は1日1度しか証券会社は公表しないし、為替相場はそのときのものだったり、遅れたりするものなどいろいろで、必ずしも時間軸が一致しないが大まかなことは言える。
この前のギリシャショック、あれはびっくりした。ユーロの下落には狼狽した。このまま行くと1ユーロ=1ドルくらいまで下がるのではないか、と思わせるような下げっぷりだった。考えてみればヨーロッパユーロが導入されたとき、このくらいであったから、戻ってもおかしくないように思われた。しかもギリシャ危機に続いて、スペイン、ポルトガルも妖しい、など喧伝された。今のところではあるが111円くらい、ドルの対しては1.2くらいで収まっているようだ。背景にはそれなりに欧州各国が協調してこの問題に対処、破局を抑えようとしている姿勢がうかがえる。
ドルは円に対して思ったより下がらなかった。これは寧ろ予想通りだった、というべきか。
日本の抱える少子高齢化による国家としての力の低減、ギリシャよりもずっと高い国債依存度、それらを突きつけられても中々反応しない経済政策などを考えれば、長期的トレンドで見れば円安に進むと考えるからである。円高になっても一時的と思っている。
びっくりしたのは第三国通貨の下落である。ブラジルレアル、オーストラリアドル等大幅に下落した。瞬間的にはいづれも15-20%出なかったかと思う。おかげでこちらはひやひやドキドキした。EU内部では、ドイツのようにユーロは輸出には有利になると、株価のほうがまったく下がらない、という事態をひきおこしているのに、である。
ドルについて中国が最近人民元の交換レートの幅をやや緩めた、という報道。私は実は中国元が対ドルに足しして完全に固定されていることを理解していなかった。ここが強制的に固定されるということは米ドルと中国元は一緒のもの、その限りにおいてはドルは米国の将来ではなく、米国+中国の将来に影響されるのではないか、と考えるからだ。そうとすれば基軸通貨である米ドルが極端に変動することは考えにくい?
一方で新興国通貨はその国だけで考えざるを得ない。多くのファンドはあのような金融危機に成ると自国の通貨で持っていると安心、と考えるのだろうか、自国あるいは円とその国の通貨の金利差を利用して運用していた資金を引き上げある。その結果が今回の事態を引き起こしたといえるのではないか。
そもそも金利差とは何であろうか。債券型投資ファンドの内容が次第に分かってくるにつれ愕然とした。投資された金で銀行がやっているのは国債を買うことだけである。為替リスクは投資家に負わせ、高い運用費用を取るわけだからさぞ頭を使っていると思いきや、である。外国の国債を買ってやるだけで、株式売買などでは考えられない高額の手数料・・・・。
ところで私の債券が投資されている国ブラジルの金利は12%らしい。すると日本を正確に知らぬが、10%くらい差があるのだろう。すると交換レートは今は1レアル50円だが、1年後には45円になるのが本来の姿、それがならぬのは、ブラジル経済が今のところ好調で高い金利を払っても金を借りたい、というものが沢山いるからだろう。金利差はいつ変わってもおかしくない、今回のように暴落する可能性を考えれば本当にひやひやしどおしの投資と気づいた。
最後に日本円だけが、なぜこんなときに高くなるのか、という点。財務的にはあれだけの状況であるにもかかわらず、である。日本のように国家と銀行が国債を持ち合う状況は、言ってみれば大きなバッファータンクを持つようなものだ。タンクがあふれない限り、人々は危険に気づかぬ、気づいてもまだ安心と考える。
ある銀行マンが言っていた。「投資ファンドは大体西欧系。西欧の国々から見れば、よほど日本は特殊な国と映るのではないか。数字がそうであっても、現在危機的状況でない以上、安全な国と写るのではないか。また不思議に人民元が挙がれば円も連れて上がる。中国という国も西欧には理解できない神秘の国なのかもしれぬ。」
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