FIFAに変わって今日は選挙。新聞は自民党の圧勝をと伝えている。しかし民主党の天下が動くわけではなし、これから日本はどうなるのだろう。それはさておき、私にはもう一つ気になっている選挙がある。区長の選挙と区議会議員の補欠選挙の結果。
夕食も終わった後、宵闇迫る町を井荻駅から下井草駅方面に歩く。
3年くらい前であったろうか、妙正寺ラジオ体操会に背の高い優しい顔の男が紹介された。
民主党の区議会議員の女性が引退することになり、その後に彼がたつからよろしく、というのだ。四面道にある印刷屋の息子。30代後半か。
その後彼は、ラジオ体操に熱心に参加するようになった。小さな息子さん二人を連れてやってきた。子供さんたちが騒ぎまくって時々苦情が出たり、本人が困ったりしていた。いつかは奥さんが家庭菜園のことで新聞に出たとかで切抜きを見せてくれた。家庭ではよきパパなのだろうなあ、と思った。
多くの地元の区議会議員や都議会議員は熱心にラジオ体操に参加するそぶりをみせる。しかし実際は3日と立たぬうちにこなくなってしまう。健康など自身のためではなく、票目当てだから、効率が悪いと思えばすぐやめてしまうのだ。直接の票で行けばせいぜい100-200票の組織なのか。秘書が挨拶に来るのがセキノヤマになってしまう。
しかし彼は違った。やがて指導員になり、指導員の中でも試験を受けなければなれぬ2級指導員に合格した。理事にもなった。面倒見がよく、人当たりがよいからおばさんたちの人気の的であった。誰かが「星の王子様」と呼んでいた。妙正寺の50周年記念誌の企画、製作も彼が榎本さんを助けて推進した。
2007年の区議会議員選挙に出馬したが、わずかの差で敗れた。「まだ1回目だから仕方がないさ。」と誰かが言っていた。そして今回の補欠選挙に出馬したのである。おばさんたちが中心になって熱心に選挙運動を進めたようだ。
しかし「推薦人のなかに阿笠さんの名前も入れておきますよ。」と言われて私は断った。「山下君は仲間内だから投票するが、民主党の政策に賛成しているわけじゃない。」選挙運動うちあげ会も断ったが、なんとなく気になって仕方がない。
今朝はラジオ体操に行くと早速皆に聞いた。「結果はどうだったい。」すると「まだなのよ。参議院が優先。今日の9時から開票よ。投票箱は****に集められて、見張りがついているわ。」私は区長も国会議員も民主党には入れなかったが、区議だけは山下君に投票した。人情であり、義理である。
家を出る前に日経新聞夕刊でチェックした。区長が田中氏になったことは報じていたが、区議会議員のことはなかった。世間的に見れば取り上げるほど出ない事件。街には選挙の結果を示すものがなかった。候補者掲示板も張り出したまま、誰も当選御礼などとは書き出していない。新聞屋、お知らせの板、警察等見るが何も分からぬ。
下井草駅近くに「山下かずあき後援会事務所」と書いた看板が、マンションの前にぽつんと立っていた。落ちたな、と思った。当選していたら事務所に明かりがついているはずだし、この看板にだってお礼の一言くらい書き付けるだろう。
家に戻ってインターネットを探す。ようやく民主党の選挙報道サイトが見つかった。山下氏を含め民主党の候補二人に落選、とうってあった。更に調べると当選は自民党の脇坂とみんなの党の横田という人と分かった。
考えてみれば二人しか通らない中で、民主党で独占は厳しかったのかも知れぬ。
山下君は28000票余り、民主党の他の一人は女性で30000票余り、とっている。しかし今回は2人しか選ばれぬから落選。通常の選挙なら区議会議員など3000票もあれば当選だ。確か40人近くも選ばれるからだ。通常なら一地域で知られているだけでも選ばれるが、今回のような場合には杉並区全体に知られていなければならない、それは実際には難しいから勢い政党で選ばれるところが多いのだろう。
今回の参議院選挙の比例区と選挙区の関係の縮小版のようにも見える。しかし区議の任期は4年、来年、その40人が選ばれる選挙があるという。それなら彼はそれで頑張ればいいではないか、などと考えた。
〔追記〕13日の朝、いつものようにラジオ体操に行ったから改めて皆に聞き、看板を眺めてみた。自民党の脇坂氏は28歳とか。公募で選ばれたのだそうだ。
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