898「尖閣列島問題を考える」(9月24〔金〕〔雨〕)

尖閣列島沖で中国の漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりした事件、那須地検は夕刻逮捕交流していた船長を釈放すると発表し、25日未明帰国した。
これを政府は「検察の判断」とした。そして政府が本来言うべき「今後の日中関係を考慮した。」との発言を那覇地検がおこなう。20日にスタインバーグ米国国務副長官が日中両国に対話を通じた取り組みを促した直後であることを考えれば、誰が「法にのっとった地検の判断」などという言葉を信用するものか。一体この政権は誰が責任を取るのか、と怒鳴りたくも成る。

今後日中両国の関係が改善されるかどうかは分からぬ。中国側は強硬な外交を貫き通すかも知れぬ。今度の問題で領土問題が絡んでいることは否定できない。本来日本の領土であるべきなのに、大陸棚領海説などという古典的な論拠で中国は尖閣諸島を「自国の領土」と主張する。東シナ海の支配をねらっているのだ。ここが石油輸送ルートであり、自由な航行が日本の生命線であることを忘れてならぬ。
今回「地検の判断」で釈放した、ということは、政府は問題に真剣に立ち向かうことから逃げた、ということだ。沖縄県民が危惧するようにこの近海で今後中国が日本の漁船を拿捕するようなことも起こりうると考えるべきだ。
今回の船長の釈放を中国当局は外交上の勝利などと喧伝するつもりのよう。しかしそれなら同時に日本は政府も国民も外交上の敗北と捕らえ、そこから何を学び、今後どうしたらいいかを真剣に考える必要があるのではないか。

まず今回の釈放に胸をなでおろしたのは、なんと言っても「日中友好」などの言葉を信じ、中国に投資し、事業を起こしている人たちではないだろうか。
「日中友好」など幻想である、国際関係はどのように変るか分からない、撤退の用意を常にし、過度な期待は避けるべきだ。レアアース輸出禁止の動きなどまさにその典型。分散購入や他の原材料による置き換えを至急に検討すべきだろう。
第二に防衛の大切さを再認識すべきである。沖縄の米軍基地問題、必ずしも親米的でない政権の誕生で日米関係がギクシャクしているように見える。それがどの程度のものか見てやろう、そのような意図が中国当局にあったことは確実。国土の防衛を考えないで平和だけ唱えてもやっていけない、防衛するには米国に守ってもらうか、あるいは日本が自前で守る強い軍を持つか、いづれかである、ということを認識する必要がある。
第三に政府の問題点だ。この問題が発生したとき、中国は大使を未明に呼び出すなど、緊急事態のシグナルを日本に送った。ところが「法による解決」というような杓子定規を言うだけで一向に問題の本質を理解しなかった。現政権に日中を結ぶものがいない、との指摘もあった。そして突然の開放、それは言ってみれば問題を投げ出したということだ。領土問題に対する中国の態度をどうしようというのだろう。

最後にこの問題をどう捉えるべきかにつき中国側の意見をインターネットから二つほど転載する。今後の日本人の中国人に対する考え方の参考になろう。「儒教の国」が聞いてあきれる。無用の摩擦を起こす必要はないが、何を考えているか分からぬ隣国、よほど警戒してかからねばならぬ。
「〔前略〕IT商業新聞網には「日本を制圧するのは簡単、3つの方法で1カ月のうちに従うようになる」というタイトルの文章を掲載した〔中略〕
1つ目は、中国各地のスーパーマーケットやデパート、自動車販売店で直ちにすべての日本ブランド商品の販売を停止すること。〔中略〕・・・・・・
2つ目は、レアアースをはじめとして、日本が中国から大量に輸入している資源商品の供給を止めること。・・・・1カ月もすれば、日本の大手工業企業の株価は暴落し、彼らは金銭や実力行使などで現政権を打倒することになるだろうと予測した。
3つ目は、高い買取価格を提示して中東の産油国が日本に輸出している石油関連商品を中国に供給させるようにすること。これに伴う金銭的損失は、今後日本に資源商品を輸出する際の価格に転化すれば回収できるとのことだ。
結びとして、これらの方法はすべて中国側が完全にコントロールできるものであり、アメリカによる支援も必要ない措置だとした。」(yahooニュース 23日サーチナ)

「中国社会科学院日本研究所の馮昭奎研究員は20日までに、尖閣諸島近海で中国漁船が拿捕され、中国人船長が逮捕された件で、日本に対する最大の報復措置は「日本円を大量に買い、猛烈な円高を誘導することだ」との考えを示した。チャイナネットが報じた。中国では◆日本製品の不買◆希土類の対日輸出禁止◆日本企業への各種制限――などの措置を求める声が高まった。馮研究員は、さまざまな経済的報復措置の中でも、円高誘導が最も有効な方法との考えを示した。〔中略〕。ただし、日中関係に実質的な損害は「日本自身の長期的利益を損ねることになる」との考えを示した。東シナ海のガス田問題では、「日本側の測量を実力阻止する必要がある」と主張した上で「双方とも武力衝突は避けねばならない。武力で争うことになればおそらく、共倒れになる」と述べた。」〔21日サーチナ〕

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