9「車を買った」(10月14日 晴れ)

車を買った。

私の車カリーナは87製で、イギリスから帰った91年に80万円くらいで買った。まだ56000キロしか走っていないが、今月車検を受け、保険も更新しなければならないことを考え合わせて思い切って購入することにした。

東京トヨタに行って「もう乗る機会も少ないから小さいやつにしたい。」と言ったところ、店員はプラッツという車を進めた。翌日試乗してみた。悪くはないが、後部座席が少し貧弱に見えた。それでも買うことにし、自動車部品会社に勤めている息子の紹介ということにしてやろうと、電話すると「そのクラスならカローラがいいにではないか。」という。

そういえば妙な名前の車種を薦める。翌日聞くと保険で世話になっているU氏は「実はカローラはうちでは扱ってないんです。」トヨタは車種によって販売店を分けているらしい。「それならコロナはどうです?コロナはワンランク上ですが、値引きを大きくすることができます。」結局10万円ばかり高いがそのコロナのプレミオにした。少し金色がかったシャンパンみたいな色にした。

いつか接骨医のT先生がベンツの新車を買ったらしいので、「よい車ですね。」と聞いた。言外に「接骨医はそんなにもうかるんですか?」先生は笑って「販売店がこれが最後のくるまになるかもしれませんよ。だったらいいのを買いなさい、と薦めたんです。」私も今60歳、70歳過ぎまで運転すると、これが最後の車になるかもしれない。

保険といえば今度は保険会社もかえてしまった。従来は最近社名を変えたT火災。12日に切れるから10日ころU氏に打ち合わせに行こうと思っているとちょうどS保険が広告をやっていた。「安くなります。電話はクイッククイック」などというのにつられて0120919919に電話した。同じ条件で試算させてみると10000円も安いことを言うからこれでいいか、と決めてしまった。なお保険は車を変えても差額分を払えばそれでいいらしい。

日曜日にテニスをするために小平まで車を飛ばした。

新しい車を買ったからこの車は下取りになる。悪いところはまだあまりない。しいて言えばエアコンの冷媒がわずかにもれるらしく、2,3年で効きが悪くなる、ドアの開閉表示の接点が悪いらしく、閉めてもピッピとなり続けることがあるくらい。2年前、後ろからつっこまれたが、修理は万全と思う。しかしU氏査定の下取り価格はわずか1000円。廃車にしてしまうのだろうか。それとも東南アジアにでも輸出してもう一度使ってもらうのだろうか。前者の場合、車は文字通り一生を終えることになる。

ふとこの車は人間で言えば何歳くらいなのだろうかと考えた。車は普通に使っていれば30年くらいは使えるんじゃないか。すると今せいぜい30歳、それで殺されるのはいかにも惜しい気がする。しかし世の中はもうそんな車は使うな、というムード。東京都は廃棄物が多い、と騒ぐ一方で、古い車が走ると煤煙やNOxをまきちらすからけしからん、税金を高く取るようにしよう、と言っている。危険だから車検の期間を短くしようという意見もあると聞いた。友人もガールフレンドのAさんも87年製などというと、軽蔑した目つきで見返し「お金のある人が何でそんな車を使っているの?そんな車はいまどき走っていないわよ」などという。だれも「車は30年使えます。できるだけ大事につかいましょう。」などと殊勝なことは言わない。

そんなことで買い換えることに決めたわけだが、なんだかこの車が涙を流しているみたいに見える。そのくせ、私は新しい花嫁を迎えるような気分で新しい車を待っている。感傷的かな?

その後の経過
10月30日  とうとう新しい車が来た!わーい!
11月4日   ぎゃーっ!早くも車をこすった!コンビニの前に電信柱があるのがいけない!…・・C*est la vie! C*est la vie!