TVの音楽番組で面白いことを言っていた。
「ソドレミというのはなかなか心地良いリズムであり、音楽でもよく利用されている。たとえば「千の風になって」の出だしがそうだ。」
YOUTUBEからはあの秋川雅氏の朗々たるテノールが流れてくる。
いい歌と思う。自分でも歌えたらいいと思う。あわせて歌ってみた。
しかし最近は楽譜を手に入れることが難しい。よく分からないけれど、ギターやピアノの練習などに楽譜の需要というのは確実にあるらしい。そのためレコード会社が版権をしっかり握って出さないのである。私のようなオンチ素人は困ってしまう。
音の高低はドレミ、それをナマの音楽から聞き取らねばならぬが、これが出来ない。しかたないから音声にあわせて歌ってみるのだけれど、終わってしまうとどう歌ったかまるっきり覚えていない。さっき歌手と一緒に歌った歌を記憶を頼りに歌うと、音程が皆同じで御詠歌のようになってしまう。
そうだ!「千の風になって」の出だしはソドレミだ。ドレミファソラシドと繰り返してみる。このソとドとレとミをつなぎ合わせれば正しい歌い方に成るはずだ。歌ってみる。なんとなく悦に入る。オレもそのうプロデビューか!後は秋川氏のように腹から声を出せばいい・・・・・でもなにか妙な感じがする。秋川氏の歌にもう一度合わせてみる。おかしい。「秋川は出だしの音程を間違えていつのではないか?」
適当にして外の歌を歌う。すると面白いことに気がついた。
「みんなの歌声」というところに、「青葉城恋歌」の楽譜が出ていたことを思い出した。あそこなら少しは楽譜があるかも知れぬ、とその元をたどってみた。随分沢山の歌が検索できるようになっている。左翼系のサイトのようで、未だにソ連や中国を讃える歌ばかりが目立つが、最近の歌も少し入っているようだ。おお、その中に「千の風になって」「涙そうそう」などなかなか新しい歌の楽譜が出ているではないか!
うれしくなって早速楽譜をプリントしてその楽譜にあわせてみる。ぎょっ!最初のソは少し高い音ではなく断然低い音、つまり私が考えていたより1オクターブ低いソではないか!がっかりし、そのうち自分自身情けなくなってくる。いくら私の音感が悪いといったって1オクターブはねえ・・・・・。
今日は詩吟のお稽古である。ドイツから帰ってきたとき、先生からとんでもない提案のファックス。「11月末に新宿区の区民音楽祭がある。それにあなたも参加しないか。3人で合吟する。外の二人は出るといっている。お題は海南行。」なんだかここで引っ込むのは男が廃る気がして「皆さんが参加するなら。」と承知した。
詩吟のお稽古は2週間に1回。
その次からお教室はこの区民音楽祭対策一色になっている。
生徒は6人、A氏が独唱で「時に憩う」、女性二人が「春夜」、男3人がこの「海南行」、いわゆるお教室のへっぽこ3人組?いや、失礼!へっぽこは私だけ。
「海南行」には、詩吟のドレミにあたる音程が記されていなかったので、前回教えてもらった。この音程にあわせて歌うだけだから、若干情感のようなものが消えるのはやむをえない。今日もこればかり練習であった。最後に「平常心」を歌った。「何ですか。これは。」と聞くと「これも歌うのですよ。全員で合唱・・・・」目をしろくろさせるばかりである。更に追い討ち・・・・・「これは楽譜を見ないで歌ってくださいね!」
終わっていつものようにお茶。尖閣列島事件に悲憤慷慨する場面もあったが、漢詩や歌の話もかなり多かった。あの「千の風になって」は、秋川のものが有名だが、最初の頃は新井満という人が歌っていたそうだ。
「今でも新井の歌は一部で人気があるのですよ。お葬式用。秋川の歌は余りに堂々としすぎていて、情感がない。お葬式には新井のしみじみした歌いぶりのほうがいいのですよ。」
我が家に戻って夜。早速新井満氏の「千の風になって」を聞く。まるっきり違う歌に聞こえるほど違う。しかし出だしのソはやっぱり低い方のソであった。
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