「3連休に一日くらいは外に出たい。」というガールフレンドのAさんの要請で映画を見に行くことにした。彼女のご推薦で「幸せの雨傘」、新宿ピカデリー。原題のPOTICHEは大きな壷、転じてお飾りだけの名誉職を意味する。フランソワ・オゾン監督
スザンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、毎朝のジョギングが日課の幸せなブルジョワ妻。しかし夫ロバート(ファブリス・ルキーニ)は雨傘工場を経営する会社社長で亭主関白。会社で従業員の不満が爆発し、ストライキ。心配した妻は「私の意見では・・・・」、すると夫は「そんなものは必要ない!」その夫が突然心臓発作で倒れ、成り行きで雨傘工場を切り盛りすることに。
彼女は、昔の友人で今は共産党員で市長になっているモリス・パパン(ジェラール・ドパルデユー)の協力を得ながら、意外な才覚を発揮してストライキを終止させ、工場に活気を取り戻すことに成功。活気を取り戻した様子の工場はあの「シェルブールの雨傘」を髣髴させる。しかし夫が病気から回復。夫は「誰が会社を経営するのだ?」と言えば「私よ!」と妻。結局、娘の一人が夫側につき、工場の経営は元にもどるが、次に妻は皆に推されて議員に立候補。夫の「飾り壷」に過ぎなかった一人の主婦が問題を乗り越えながら、自分の居場所を見つける姿を、コミカルな演出を交えながら、明るく描いている映画。
カトリーヌ・ドヌーヴ、なつかしいですなあ。ウイキペデイアを書き写せば
「1943年パリ生まれの大女優。10代のころから映画に出始める。ミュージカル映画「シェルブールの雨傘」のヒットで世界的スターの座をつかむ。1992年の「インドシナ」でアカデミー主演女優賞にノミネート。1998年の「ヴァンドーム広場」でヴェネツイア国際映画祭女優賞を受賞。プライベートではイギリスの写真家デビット・ベイリーと1965年に結婚後、1972年に離婚。その後、映画監督のロジェ・ヴァデイムとの間に息子クリスチャン・ヴァデイム、俳優のマルチェロ・マストロヤンニとの間に娘キアラ・マストロヤンニを儲けている。ヴァディム、マストロヤンニと正式な婚姻関係になることは諸事情の為いずれもかなわなかった。しかし、マストロヤンニとは晩年までキアラ共々交流があり、1966年のマストロヤンニの臨終の時にもキアラと共に立会った。フランスの世界的ブランドであるイヴ・サン・ローランの顧客としても有名。2007年2月、第79回アカデミー賞授賞式に出席し、日本の渡辺謙と2人で非英語圏俳優代表として舞台に立った。アカデミー賞から約2週間後に、「フランス映画際2007」の代表団長として10年ぶりに来日した。2010年2月、3年ぶりに来日。」
そうか、彼女は私より2歳年下か。随分、濃い人生を送っているな、羨ましい。
映画全体、カトリーヌ・ドヌーヴに敬意を払っているように見える。さすがに思い出場面の色恋のドロドロは、別人が演じていたようだが、67歳は元気一杯に見えた。洒落ていてフランス映画らしいフランス映画に見えた。
この映画は設定が1977年となっている。ウーマンリブ運動は、特に1970年代初頭にアメリカ合衆国や日本などの先進国で起こった。二度の世界大戦等が引き起こした人手不足は女性の積極的労働参加を促し、「女性も男性と同じ仕事ができる」という、仕事における自信をもたらした。この女性の社会的自立が、運動の気運を高めたといえる。その影響は、当然フランスにも現れたのだろう。其の一環を捕らえている。それ以前は、フランスでも主婦は家庭を守るのみの存在であったのだろうか。
フランス女性の現在について、私の範囲では639のエッセイが参考になる。
*女性と仕事:25歳から49歳の女性のうち10人に9人が働いている。1965年に女性が夫の同意なしに働ける法律、71年に有給出産休暇の法律、83年に職業上の男女平等に関する法律、92年にセクシュアルハラスメントに対する法律が定められた。ただ管理職になる割合が少ないなど男女格差は依然として大きい。
*離婚:婚姻件数に対する離婚件数の割合は1965年には10%であったが、2004年には45%に達している。求婚するのは相変わらず男性、離婚を請求するのは女性である。・・・・
NHKのクローズアップ現代で、ウーマノミックスと題し、女性の社会進出について報じていた。ノルウエーでは、民間会社の重役まで40%以上女性にする事が義務付けられている、日本は、遅れているが、それでも女性管理職を2020年までに30%以上にする努力目標が掲げられた等々・・・・。ウーマンリブ運動はますます発展する勢いである!
・・・・やれやれ、どうやら、言い換えれば現代は男が弱くなってゆく時代。弱きもの、汝の名は「オトコ」、しかし郷に入っては郷に従え、男性読者よ、女性主人公が夫を圧倒して成功するというストーリー展開は、女性を大いに喜ばせる。恋人も奥様も日ごろの溜飲を下げるし、シャンソンの音色も心地よい、誘ってあげても損はしない?
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