946「巨大地震襲う」(3月11日(金)曇り)

後から聞いたところ、14時26分だったそうである。荻窪から帰ってきた私は、時間が余っているから餅を作ろうと、もち米をボールに計ったところであった。
ぐらぐらっと、かなりのゆれ。ゆれは中々収まらぬ。机の下にもぐることも考えたが、一瞬の判断で庭に出た。みしみしと音がし、あたりが大きく揺れている。
自宅やアパートに損傷が出ぬかと気がかり。街路に出ると、あの猫を飼っているAさんが不安げな様子。そこにアパートの柵を乗り越えて、高齢のBさん。
「柵は、何故固定しているんでしょう。私は乗り越えなければならなかった。」
「不審者が入ると困るから、固定せざるをいえないんですよ。でもおばさんは逆から出れば障害なく表に出られたではないですか。」「気がつきませんでした。」
そんなことを話していると、新しいほうの棟の看護婦のCさんも窓から顔をのぞかせる。
強いゆれは1分以上も続いただろうか。生まれてこの方初めて経験するような大きなゆれ。本当に怖い。漸く落ち着いて、家に戻ると本棚の本は散逸し、台所はあのもち米が床に散乱している。良く本棚や戸棚が倒れないですんだものだ。

ガールフレンドのDさんに電話するが通じない。
4時過ぎになって、仕方なく自転車で彼女宅を訪問。彼女も娘さんなどと連絡を試みたが通じぬとの事、携帯電話も途中できれてしまう。彼女の家も似たような被害だが「本当に怖かった。」を繰り返している。二階など当分足を踏み入れられぬ、と嘆いている。
TVも地震のニュースで持ちきり。震源は最初宮城県沖海底、とのことであった。
マグニチュード8.8。世界でも指折りに入るくらいの大地震で、明治以来、観測史上最大のものとか。余震も何度も起こった。特に3時15分茨城県沖。こちらもマグニチュード7.4とか。先ほどのようなことはあるまい、と思っても怖い。
新聞などは、プレート型地震の典型と報じている。プレートが別のプレートの下にもぐりこむメカニズムは地震を引き起こす原因となるひずみがたまりやすく、それが一気に開放されることで大地震につながる。気象庁は東日本巨大地震と名づけたとか。
市原のコスモ石油で火災を発生しているようだ。真っ赤な炎が燃え上がっている様子を映すが、消防活動はしていない、いやまったく出来ないようだ。

夕方になると、鉄道が止まり、通勤難民が各駅に群がっている様子が映し出される。
道路はものすごい渋滞で、報道の車が現地に行けぬ様子。
一方北海道や東北では最大10mもの巨大津波が押し寄せているとか。
岸辺にある魚市場の屋根まで水が漬かっている。
車や家屋や、時には学校までがぷかぷかと浮いて流れている。町単位で全壊してしまったところも沢山あるらしい。仙台空港を津波が襲っている様子・・・・津波に飲み込まれる部分がどんどん拡大してゆく。死者と行方不明者がどんどん増え、1000人を越えることは確実のようだ。火災も各地で発生し、ビルや住宅が倒壊し、流されている。電気、水道、ガスなども止まっているようだ。
福島原発、炉心の冷却水が上昇しており、近隣2kmの住民に避難要請が出ている。
自家発電装置を動かして対応すべきなのだが、動かないのだそうだ。
国会では審議が中断され、内閣が対策本部を設置。
石原都知事は4月の知事選に出ることを発表しているところだったが、記者会見は中止。
東京証券取引所は株価が暴落したらしい。

Dさんの家で、ガスが付かぬことに気がついた。メータのところにある復帰ボタンを押して復帰させた。我が家に戻り、我が家も復帰させたが、アパートからの問い合わせがあり、出向いてほとんど対応した。
宝塚に引っ越した次女の亭主からメールが入っていた。「大丈夫ですか。」・・・うれしかった。異常ない旨伝えると、長女や次女の亭主のお父さんのところも問題はなくてよかった、とのメールがはいった。
夜寝床に入る。細かいゆれはまだまだ続いている。今夜は良く眠られるだろうか。
明け方また強い揺れを感じた。TVは、今回は長野の北あたりで、今度は阪神大震災と同じタイプに直下型地震とかで、昨日のものとは異なるもの、と報じている。
皆さんはいかがでしたか。ご無事であったことを祈ります。

追記 その後、状況はどんどん変っているようですが、そのときの印象も大事と考えてあえて加筆訂正をしませんでした。

註 ご意見をお待ちしています。
e-mail address   agatha@ivory.plala.or.jp
ホームページ    http://www4.plala.or.jp/agatha/