949「リビアへの攻撃」(3月21日(月)晴れ)

21日、日経新聞社説からまとめ:「フランス、英国、米国を中心とする多国籍軍のリビアへの空爆が始まった。一時は明日にも転覆と見られた政権側の武力による巻き返しが効をそうし、反体制側の拠点である都市ベンガジに迫る勢いである。国連は「独裁政権による多数の国民の殺傷はゆるされない。」とし、「市民を守るためあらゆる方策」を採るとしている。」
しかし地震対策に追われ、それどころではない日本から見ると、どうも欧米側のご都合主義が見え隠れしないか。特にイギリスは豊富な石油資源確保のために最近カダフィ政権に近づいていたようだ。それが、事態が変われば、カダフィ氏の資産を凍結し、政権征伐の先頭に立とうというのだから・・・。あのフォークランド戦争やイラク戦争開戦を思いおこさせる。
「今回の軍事行動は内戦状態にある一方の勢力に事実上の軍事的な肩入れをする形になる。
「中国とロシアは、軍事行動開始に遺憾の意をしめした。ドイツなども軍事行動に慎重なため,NATO全体が協力した形にならず、「有志連合」の可能性も強い。」
「今後、他のアラブ諸国で独裁政権による反体制勢力への武力弾圧が激化した場合に、どう対応するのか。」
日経新聞の指摘するこれらの点は、もっともな意見に聞こえないだろうか。

リビアは我々にとっては地球の裏側の国、馴染みがない。今後のニュースを理解するためにウイキペデイアをまとめておく。
「リビア」 公用語 アラビア語 首都 トリポリ
面積 176万平方キロ・・・・日本の約5倍
人口 640万人 1951年イタリアより独立
アフリカ大陸の北部に位置し、地中海に面している。国土の大部分がサハラ砂漠の一部であり、面積の大半を砂漠が占める。南部には山脈が走り、西部のトリポリ南方にナフーサ山脈が、ベンガジ東方にはアフダル山脈が存在する。降水は北部の地中海沿岸にわずかにある。西のトリポリタニアから東のキレナイカにかけての地中海沿岸の屈曲した部分をスルト湾と呼ぶ。国土の70%は標高500m以下だが、地中海を北から南に行くほど標高は高くなり、チャドとの国境付近は標高1,000m〜2,000mの高原となっている。気候は温暖だが、沿岸部も乾燥しており、主要都市でも年間降水量は400mmを越えない。
先史時代にはベルベル人が居住していた。古代にはギリシャ、ローマ帝国等の支配を受けた。
7世紀にアラブ人のウマイヤ朝に征服され、イスラム教が広がり、同時に住民のアラブ化が進んだ。16世紀にオスマントルコに併合された。1711年にトルコ系のカラマンリー朝が成立した。しかし19世紀にアメリカ、ついでイギリスとフランスによるこの地への干渉が始まったため、オスマントルコはリビアを再征服し、カラマンリー朝は滅亡した。20世紀初頭の伊土戦争により、イタリアが勢力を拡大、植民地とした。第二次大戦後、イタリアの敗戦により、戦後は英仏の共同統治領とされた。

国連の決議により、1951年にリビアはキレナイカ、トリポリタニア、フェッザーンの三州による連合王国として独立した。1969年、ナセル主義者だった27歳のカダフィ大尉と同志の青年将校たちとクーデターを起こし、国王を退位させ、共和国を成立させた。その後は対外的にはソ連に接近し、1970年代から90年代まで数々のテロを支援したため、欧米諸国と敵対した。1985年に発生した西ヨーロッパでの一連のテロ事件により経済制裁を受け、1986年にはアメリカ軍によって空爆(リビア爆撃)されたが、その報復として1988年にパンナム機を爆破(パンアメリカン航空103便爆破事件)している。
2001年の同時多発テロ事件以降は、一転してアメリカと協調路線をとる一方、成果を出せない親アラブ外交から親アフリカ外交へとシフトし、アフリカ連合内で主導権を握ろうとしている。

2010年のGDPは779億ドル(約6.5兆円)で、岐阜県とほぼ同じ経済規模。独立以前のリビアは農牧業を主産業とする貧しい農業国だったが、独立後の1955年から油田開発が進められ、1959年にリビアは産油国となった。
当初国際石油資本により石油開発が進められたが、1969年の革命後に石油は国有化された。パンナム機爆破事件により1992年から1999年まで国際連合の経済制裁が続き、リビア経済は疲弊したが、経済制裁の解除に伴い、一度は撤退した外国資本が次々と流入し、それにあわせて経済状況が急激に回復してきたと言われている。油田の多くは東部のキレナイカに集中しており、石油の埋蔵量はアフリカ最大といわれている。輸出の大部分が石油で、貿易黒字を維持するために輸出量は調節している。国土の1.2%が耕地となっており、現在でも農業や牧畜に従事する国民も多い。1969年革命後の社会主義政権は農業の産業化に力を入れ、深層地下水をパイプラインで輸送して灌漑を進めている。

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