葛飾区の浄水場の水から微量の放射性ヨウ素が開発された。食品衛生法に放射能がどのくらいになったら摂取してはいけない、という基準を決めた。しかし其の基準は毎日何リットルやら1年間飲み続けて、やっと害が出るかもしれない量の十分の一とか二十分の一とか・・・・・。ひどく安全サイドの数値らしい。
しかしこれを政府が記者会見で発表する、マスコミが「また見つかったと」と宣伝する、都で「乳幼児に飲ませないほうがいい。」と指針を発表する。皆正しいことをしているのだけれど、騒ぎはどんどん大きくなる。一般大衆の間では、飲ませないほうがいいは、飲ませてはいけないに変わり、オカミの言うことは怪しい、大人だって飲むべきではないとなる。スーパーにコンビニに、皆押し寄せ、たちまち水の奪いあいになる。あわてて「あれは、1年間飲み続けた場合危険ということで・・・」などと注釈を入れても一度動き出した力は止まらない。これがせめて政府の広報の片隅に載っただけ位であったなら、と思う。皆で風評を作り出しているのである。
データを何でも公表するという行為は、一見正しい行為に思われる。何しろ、皆さま、知る権利を持っているのだから。しかしそれらの行為は責任逃れにつながっているように思う。後から責任を言われても「あの時、言ったじゃないですか。」
今回の福島県などの野菜の出荷制限にも感じる。原発から20-30キロという範囲はごくせまい。それを産地表示が県単位になっているからと、福島県すべてとしてしまえば、猪苗代湖などの農家は「何でここまで制限しなければならない。首都圏の人たちの安全も大切だが、俺たちの生活だって大切だ。」と言いたくなろう。大体当該野菜を出荷している農家自身はどうしろというのだろう。行政は出荷制限と摂取制限を区別している。しかし単純に考えれば出荷制限をするということは食べれば害がある、ということであろう。ひょっとしたら当該農家は関西からしいれた野菜でも食え、といっているのだろうか。
「影響力のあるものが、ものを発表し、訴え、命令する。」という行為は、よくよく後に起こることを予測して行なうべきである。会社でもそうである。ヒラはヒラとしての範囲で考え、係長に揚げる。係長は係長の権限範囲で考え課長に上げる。それをすべて省略してヒラが自分で考えたことを社長に直訴したり、あるいは世間に公表したりすれば、問題を起こす。ところが現代の世相はそれを直接要求し、個人個人もそれがいい、と考えているようにさえ見える。
個人はずるい。特に新聞記者等報道関係者は・・・・・。素人であるがゆえに、何か厄介なことが出ると素人であるから、と逃げるくせに、自分流の勝手な解釈を作りたがる。
こういった被害は、原発から20-30キロ圏でも起こっている。危険、危険と騒ぎ立てるものだから、貨物がゆかない。結果、食料品不足、ガソリン不足、薬品不足・・・・。他の地域に移ればいいが、あの地域をなかなか出られぬ老人たちは見殺しにするのか。
(24日、記)TVで保育所を経営している人の談話が出た。スタッフ全員で駆け回ったが、水は2日分しか確保できなかった、と嘆いている。これは厄介だな、と思った。発表に従えば、なければ飲んでもいいし、飲んだとしても1年近く飲んだ場合に被害が出る程度だ、それならあわてなくていい、と考えてもあずかっている子達の親から文句が出るに違いない。多分それは1歳以上の子を預けている親からもでるだろう。
スポーツクラブの帰りにスーパー、100円ショップ等を覗いてみた。ペットボトルは一本もなかった。そのくせ炭酸水、スポーツドリンクなどは売れ残っていた。家の近くの自販機を見るとここも水だけがなくなっていた。夜になってTVで東京都が今日計ったら国の基準値以下であった、従って規制を一時的に解除する、と報道した。騒ぎが大きくなりすぎたことに驚いた、というのは勘繰りであろうか。しかし一度植え付けられた一般大衆の疑いがすぐに晴れるとは思えない。ペットボトル不足がすぐに解消されることはないような気もする。
いづれにしろ「抵抗力の強い」私のような老人、この際高級なことをやめて飲み水まで含めてすべて水道水で我慢しろ、ということか。正直言ってこのまま原発問題が収束してゆけば、野菜の出荷制限についても規制を解除するような気がする。
1号原子炉にケーブル敷設中の作業員が被曝した、と報じられた。作業中に水溜りに足先をとられたが、それに放射物質が含まれていて被曝し、病院に運ばれた、というのである。その通りであろうが、「やけどを負った。」くらいの報道ならよかったかも知れぬが、もう「被曝」という言葉は独り歩きしだした様子。発表はよほど注意せねば、と感じる。自分自身はもう決めている。少々世間が騒ごうが、自身のために特別のことをしようとは思わぬぞ!みなさんはどうですか。
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