私の出身のTガスには5000人以上の退職者がいる。
そのうち住んでいる杉並支部は120人足らず。その年に一度の総会が四谷クラブで行なわれた。今回の東日本大地震への対応について、パンフレットと共に説明があった。
Tガスの圏内でも大きな被害を受けた。日立などに支店を持つからである。
現在ガスメーターには、マイコンメータというものが開発され、取り付けられている。ある程度以上強い揺れを感じると、これが働き、自動的にガスを遮断してしまう。(通信923参照。)取り扱いについては、ガス会社は衆知を図っているが、強い地震などそう起こるものではないから普段は忘れてしまう。お客からは「ガスが来ない」と連絡が入る。そこでガス会社なり、サービス店が行き、もれなどないことを点検した上で開栓する。日立支店は、ガス管に損傷が少なかったようで、こちらの対応が忙しかったよう。
しかし応援に駆けつけた仙台ともなるとそう簡単ではない。
「震度6の巨大な揺れが襲った仙台市。約36万戸に都市ガスを供給している仙台市ガス局は、ガス製造を担う港工場に10m前後の津波が押し寄せ、LNGタンクやガスホルダー以外の主要設備が破損、供給区域すべてにおいて都市ガスの供給を停止した。
仙台市ガス局では、新潟―仙台間の天然ガスパイプラインからもガスを受け入れており、このパイプラインの被害が比較的小さかったため、ここからのガスを港工場に受け入れて、供給を順次開始することとなった。
其の復旧を支援するため、日本ガス協会の要請により、全国から都市ガス事業者が仙台市に集結。現地対策本部を立ち上げ、3200名の復旧体制を整えた。
供給エリアを2000戸から3000戸の単位で155ブロックにわけ、ブロックごとに閉栓作業をした上で、ガス管の修繕、開栓作業を行なうというものである。」(配られた資料、一部編集)
ブロックにわけて行なう、という手法はガス会社の場合、天然ガス転換で十分な経験がある。作業はなかなか大変なようだ。エピソード欄に
「公共施設などのトイレを地元の皆さまのご理解を得て使わせていただいたが、断水が続いている地域も多く、貴重な水を利用できた「恩返し」の意味もこめて、水汲みなどの作業を手伝った隊もあったようだ。」
仙台市ガス局ホームページに寄れば4月14日現在で
復旧対象戸数 311144戸、本日までの累計復旧戸数 279629戸、復旧率 89.9%
と成っている。ただし下に註があった。
「復旧対象戸数とは、お客さま戸数から、海岸部等津波の被害の大きいお客さまの戸数及びお客さまのご都合等によりガスをご使用になっていないお客さまの戸数を差し引いたものです。」
海岸地区等(50000戸近くあるということか?)は、都市ガスどころではない、という実情のよう。応援に駆けつけた者が「そちらには行かないほうがいいですよ。」と忠告を受けたくらいひどいらしい。海岸地区を含めた早い時期の完全復旧を祈る。
そのほか東京ガスは土浦や浦安地区にも応援に駆けつけている。浦安地区をもつ京葉ガスは6800戸の供給を停止した。
「液状化で地盤全体がゆり動いたことによって、ガス管がぬけてしまったという損傷が多く見られます。そのガス管の中に、破損した水道管から漏れた水や海水の混じった土砂がシャーベット状になってつまり、これらを取り除くのに非常に苦労しています。」
会食。親しいもの同士である。
東京ガスの話が終わると東京電力の話になった。
東京電力はオール電化住宅のキャンペーンをやめたそうだ。「関係していた企業は突然の中止でえらい迷惑だ。」というものがいた。その通りかも知れぬが、電力会社とガス会社は本来は互いに協力して国のエネルギー政策を支えるべきものと感じた。
回ってきた義捐金箱に気持ち程度いれながら、ともかくもこんなところでくつろげる自分たちの幸せをかみしめた。「こんなときに自粛してばかりでは、景気が悪くなる。」などと都合のいい言い訳を自分にしながら・・・・。
最後に、個人的感情。日常人々は、平気で非難はするくせに忘れているのが、公的な力のありがたさ。現在の政権の中には嫌いなものが多いと聞くが、そのアメリカに今回は一番世話になった。誰かが「暴力装置」と呼んだ自衛隊に大活躍をしてもらった。警察の機能も十分に発揮されていた。東京電力は、福島原発問題などで叩かれているが、原子力発電のおかげで、安いアンナに便利な電力を享受していたのは誰だ!同じことは水道やガスなどについてもあてはまる。心してほしいものである。
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