973「初島に遊ぶ」(6月7日(火)曇り8日(水)雨のち晴れ)

ウイキペデイアを抜粋すると、初島は、面積0.437平方キロ、周囲4キロ、熱海の南東10キロに位置する小島。古くは波島、端島、波津幾島などとも呼ばれた。
源実朝が「箱根路をわがこえくれば伊豆の海や、沖の小島に波のよる見ゆ」と歌ったその小島。
古くから漁業と農業を営んでいたが、江戸時代に島内の戸数41戸の記録があり、それが現在まで進んでいる。次男以下は島を出て、男子がいない場合は婿を取り、人口を一定にする風習が維持されてきた。
昭和39年に初島バケーションランドが開設し、一時はバブル景気に乗り大人気だったが、その後客足が退き、2006年に全面改装した。
また1993年にバブル景気に乗り、「初島クラブ」というリゾート施設が開発されたが、其の後倒産、リゾートトラスト支援の下、新会社「リゾートトラスト初島」となり、施設の名称も「エクシヴ初島」と変更され営業を続けている。」

私が亡妻と初島を始めて訪れたのはいつの頃だったか。まだ高みに上れば畑があるくらいのひなびた島、熱海からの船で行ったが、トビウオが飛び亡妻が奇声を上げて喜んでいた。
次に訪れたのは2009年2月5日、ガールフレンドのAさんと一緒で、通信735に書いてあるとおりだが、このときは丁度「金色夜叉」を読んだ直後だったので、熱海の話ばかり書いてある。

今回高校同期のB君が「C君がエクシヴの会員権を持っている。初島に行き、のんびり過ごさないか。」と持ちかけてくれてそれに乗った。男3人、みな古希を迎えたばかり、C君が5月9日、B君が16日、私が24日で一番若い・・・・。
海岸どおりに面して長屋風にオレンジ色の屋根の同じような大きさの食道がずらりと並んでいる。皆、平等?と言うことらしい。そのうちの一軒で、岩海苔ラーメンとサザエの昼食。岩海苔の香りが良くサザエも特別立派。
島をゆっくりとめぐる。ボートやクルーザーを係留する港。水が澄んでいて小魚が見える。エクシヴの前を抜け、林の中を通って島の裏手にぬけると岩ばかりの海岸線。この島には砂浜と言うものはないようだ。江戸時代に関西の大名が江戸城逐条のために石を運びだしたという石切り場の跡。それにしても40キロ、現代の船でも30分近く、良く運べたものと感心。
エクシヴには3時頃入った。思い切り豪華なホテルだ。海に面した8階建て、それぞれの部屋に大きなバルコニーがついている。反対側には手入れの行き届いた噴水を囲んだ広い庭。部屋数は100-200か。「熱海でも客が少ないと言うのに、離島によくこんなものを作ったものだ。立案者はクビになったろうが、腹のうちでは夢を実現し「ざまあ、見ろ!」という気分だったに違いない。」とB君の意見。
最上階にある展望風呂。東京で見るような鉄分を含んだ茶色い湯。入り口に「オムツの方は入浴をご遠慮ください。」オムツをはいているのは赤ん坊ばかりではない。「俺たちも遠からずああいう風に言われるのか。」とB君、妙に弱気。
懐石料理の夕食。おいしいものがちょこっとづつ。昔なら少なすぎただろうが今では十分。和服のお姉さんの択んでくれたナニヤラ言う冷酒もうまくすっかりいい気分になった。

「明日は、アジアンリゾートのハンモックにぶら下がって蓑虫みたいに過ごそう。」と決めた。其の明日になってみると雨。しかし幸いなことに昼近くにはやんで、薄日もさしてくる。早速アジアンリゾート。
椰子やソテツ、ゴクラクチョウのような植物の中に広がった芝生。ところどころにテーブルが置かれ、ハンモックが用意されている。
ハンモックは、元は南米熱帯地方の住民が使っていた寝具。第二次大戦頃まで軍艦の乗組員の寝床子としてよく使われた。ハンモックが寝床として便利だったのは船の左右の運動と同調して動くので寝ている間に床に落ちる危険がない。また帆船時代には風向きによって船が斜めに傾いたまま走行し、床が傾いてしまうが、そんなとき水平を保つために大変便利であった、という。もっとも蒸気船が出た頃から船は常に水平に保たれるようになったとか。
ハンモックは寝方が中々難しい?下手をやると全体が横向きになり落ちてしまう。しかし尻を真ん中にして落ち着くとゆったりする。風が吹いたりするとわずかなゆれ、それがひどく心地いい。大空を見上げると鳶がゆったりと飛んでいる。そのままにまどろんでもいいし、読書などするのもよいものだ。目を閉じると亡妻の顔が浮かんだ。君も生きていればよかった。生きていればこんな楽しみも味わえた・・・・。
とにかく我々は午後のひと時をハンモックで優雅に過ごした。もっともB君だけは乗らなかった。恐怖心芽生えるのだろうか。
3時過ぎの船に乗り、東京に戻る。男3人で70年の生涯の洗濯をしたような2日間・・・。

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