詩吟の合宿が8月末にある。去年は始めたばかりであったから、出席しなかったが、今年は参加したいと思っている。詩吟とカラオケで2日間過ごすのだ、と言う。私にとってはきつい。音痴でその結果、詩吟も格別下手糞、笑いものにはなりたくない。
春ころであったか、小学校の同じクラスの者が集まった。カラオケになったが一人が「赤いランプの終列車」という歌を歌った。面白いと思って調べると、春日八郎のデビュー曲であることが分かった。春日八郎は今まで「お富さん」より歌ったことがなかった。彼について更に聞いて回ると、一番の作品は「別れの一本杉」であることが分かった。
4月頃パック旅行で上海と其の周辺に行くことにした。その結果は、過日報告したとおりである。計画した頃、行く先をチェックすると無錫があった。無錫は田舎であったが、尾形大作が「無錫旅情」を歌って日本人によく知られるようになった、と聞いた。それなら行くまでに「無錫旅情」を練習しておこう、と思い立った。
ある人の話では歌を上手に歌うには、まず1000回聞け、ということであった。それだけ聞けばリズムを体で覚えるであろう、ということらしい。カラオケは、最初、音の高低が正しく出せねばならぬ、とばかり考えていた。しかしそれも大事だが、リズムに乗り、自信を持って歌うことがもっと大事と気がついた。リズムと自信・・・・・これは1000回まで行かなくても歌ったり聞いたりした回数に比例するように感じた。
趣味でやっているに過ぎぬから1日そんなに多くの時間を割けぬ。
そこで「赤いランプの終列車」「別れの一本杉」「無錫旅情」に的を絞って練習を始めた。ドレミがある程度合わねばならぬ。声を腹から出さねばならぬ。ピアノのドレミに合わせて声を出した。ただしそれまでの検討で、私の場合は、下のファ辺りをドと考えてドレミを歌うといい、と知ったから、そのようにする。腹から声を出すために、床の上に尻をつき両手で足をかかえ、体を上向きにそらせて、ドレミを歌う。腹は間違いなくへこむ。其の二つを終えてから、私はU-TUBEからパソコンに録音した春日八郎と尾形大作を、聞いたり、歌ったりして練習する。そんなことを毎日繰り返した。少しドレミが取れるようになった、と感じた。
この前同期の飲み会が高円寺であった。この三曲を歌って見た。「無錫旅情」は比較的よく歌えたように思った。一応みな感心しているようであった。「赤いランプの終列車」はそれなりだが、音楽のリズムが早く、歌が遅れるように感じた。「別れの一本杉」は一番ひどかった。うまくリズムに乗れず、仲間から失笑の声が聞こえた様でもあった。
今日、一ヶ月ぶりに詩吟の稽古に行ったところ、われらの霞穂会の会長がなくなり、葬儀が行なわれ、みな出席したとの事であった。しかし其の席で、皆、詩吟を歌ったのだそうだ。伴奏もなく、それも一人で4曲も5曲も・・・・。大変だ、と思った。
詩吟はこの1ヶ月くらいほとんど練習しなかったが、カラオケを練習した成果、少し自信を持って歌えるようになった、と感じた。自分が感じたのであり、周囲がどこまで認めたかは別であるけれども・・・・・・。
詩吟の会は終わってお茶を飲みに行くが、それを終えて時間があった。6時半に婿のA君と飲むことになっている。四谷三丁目に五時につき、喫茶店に行こうかと考えた。しかしカラオケと書いた看板があったので試してみようと考えた。一人でそんなところには行ったことがない、値段もいくらか分からぬ。しかし向こうはなれたもので「30分200円です。ドリンクは取らなくて結構です。」1時間申し込んだ。
小さな部屋、ものすごく大きな音に設定してある。音のコントロールが分からず、その音にあわせて、ものすごい声で歌ってみた。採点が出来るようになっていることに気がついた。あの失敗した「別れの一本杉」を歌う。光がgoodとbadの間を微妙に行き来する。愈愈採点。私の歌なら50点くらいに考えたが。案に相違し、80点であった。少しうれしくなって「赤いランプの終列車」を歌うと82点、「無錫旅情」では84点がついた。
A君は時間通りに来た。適当に飲んで12期の仲間が行く安い新宿のパブに誘うと同意した。客は太った女性が一人いるだけであった。「カラオケでも歌わんか。」と誘うが、A君は余り好みでない様子。それならとさっき練習した「赤いランプの終列車」。女性客が「その歌を歌うようなら年代が分かってしまう。」と笑った。「無錫旅情」も歌った。しかし幸いなことにどちらもマスターや女性客に歌がうまくない、という様子は見受けられず安心した。
私のドレミも少し進歩したのかも知れぬ、といい気持ちになって帰途についたが、西武線を一駅乗りこしてしまった。
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追記 カラオケは大きな声で、音程を正確にし、妙なビブラートをつけなければいい点が出ると友人が言っていた。あるプロは100点出すために2日間も歌い続けたとか。本当かなあ。