友人から次のようなメールをもらった。
「この前の調査で貧困率が最悪になったとの事、この貧困率は年収112万円以下の人の比率との事だが、16パーセントもいる。しかしたとえば200万円以下の準貧困層をくわえたらどうなるのか興味のあるところだ。貧富の差は随分開いている。200万円以下を準貧困層といったら怒られるかもしれないが、生活保護の金額以下であることははっきりしている。
これが全てあのペテン師のせいとはいえないが、経済政策に失政を重ねる政府がこの流れを助長していることは否めない。(以下略)」
確かにAsahi/comには
「所得が少なく生活が苦しい人の割合を示す「相対的貧困率」が、2010年調査は16.0%で、07年調査より0.3ポイント悪化した。18歳未満に限ると15.7%で、ともに、厚生労働省が貧困率を算出している1985年以降、最悪の水準になった。(以下略)」
しかし少し調べると
「このニュースが言う貧困率とは相対貧困率であること。相対貧困率は、所得格差の指標の1つ。OECDレポートの定義によると、調査対象の所得分布の中央値を基準に見て、その50%未満の所得しか得てない者が調査対象全体に占める割合。家族がいる場合は、家族数の平方根をかける。(2人家族ならルート2の ×1.4142…、4人家族ならルート4で ×2)さらに貧困率には絶対貧困率と相対貧困率があり、必ずしも一致しないこと、また財産については一切触れられていない。いくら年収が低かろうと十分な資産があれば、それで楽に暮らしているものは多い。そこで更に別のサイトを調べるとこの答えになるような記事が出てきた。
「相対貧困率の国際比較(2009年):
相対的貧困率のデータは、経済協力開発機構(OECD)が発表し、「対日経済審査報告書」で引用され、2006年7月に日本の格差拡大を示すデータとして日本のマスコミにも紹介された。(中略)日本は米国に次いで貧困層が多くなっている。
しかし別の角度から取られている所得格差や貧困度のデータと食い違っている点をどう考えたらよいのか。これで日本は先進国の中で2番目に貧困度の高い国といってよいのか。
実は相対的貧困率は年齢別の所得格差によって影響されていると考えられる。生涯所得においてまったく平等な国が2つあるとする。片一方は、若い頃200万円の年収で中高年になると800万円の年収となるが平均年収(年収のばらつきの中央値)は500万円の国であり、もう片一方は、年齢にかかわりなく年収が500万円の国であるとする。前者では相対的貧困率は年収250万円以下の者の比率であるから一定程度の比率となるが、後者では定義上ゼロ%である。前者の国の貧困度が大きいというのは定義上そうであるにすぎない。
年齢別賃金格差と相対的貧困率との相関を見ると、年齢格差が大きい国ほど相対的貧困率も高いという結果になっている。このように日本は年齢格差が大きいから相対的貧困率も高く出るという側面があり、このことを無視して貧困度を論ずることは妥当ではなかろう。
OECDが敢えてこうしたデータを使用した理由は、日本ではコスト削減を進める企業がパートやアルバイトなど賃金の安い非正社員を増やしたことが所得の二極分化を助長させたという報告書の主張(これ自体は正しい)と整合する他、敢えて刺激的なデータを出して、OECDへの多額の拠出国日本のOECD報告書への関心を高めるためだと邪推したくなる。(編集)」
それがあえて、今公表されているのは政権交代後の民主党長妻厚生労働大臣の指示があったためのようだ。この記事は最後に次のように結んでいる。
「マスコミはこのように重要な指標をこれまで計算・公表しなかったのは政府の怠慢だとしている場合が多いが、その場限りの論評の感がぬぐい得ない。」
この記事で一つ言えること「日本の中で格差が広がっている。」これは実態かもしれない。
最後に日本人はどうも欧米の意見となると、ありがたがる傾向がある。其の特徴をまた利用しようとするやつがいる。今回の原発のストレステストなどまさに典型のように見える。日本の国土と実情にあったものを、日本の状況を勘案して決めるべきだ。自分の主張を正当化しようと、ずいぶんいい加減なデータの使い方する、よほど注意して懸からねば危ない・・・・。
また感覚的な話であるが、日本の貧困率は低い、と思う。乞食がいない、ドイツでもイギリスでも時折だが、地下鉄の階段などにしゃがみ、金をくれと缶を置いているものを見かける。教育も高校や大学はいざ知らず、ほとんどが全員まともに受けている。
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