中国の高速鉄道の事故。パソコン故障で修理中ゆえ思いつくまま。
この事件そのもの、その後の処理等、現在の日本人から見れば随分ひどいものだ。何十人も死んでいるのに、現場の証拠となる鉄道本体を埋めてしまった。もっともインターネットなどの世論の抗議で、1日でまた掘り返すことに決めたが・・・・。ドタバタ劇を見ているみたいだ。これが赦されるならあの福島の原発も埋めてしまえばいい?
しかも事故が起こって1日で営業を再開した。「そんな危険な鉄道に乗る奴はいまい。」と思うのだが、便利ゆえ、利用者はそれなりとか。鉄道省に至っては「初期トラブルと言うものはある。そのうちに安全なものになる。わが国の技術には自信がある。」くらいの談話を発表。
もっともこの指摘は当たっていないとは言えない。自動車も飛行機も国産を作るにはトラブル続きであった、と聞く。新幹線は大事故は確かになかったが、小さなトラブルは数多くあったに違いない。それを乗り越えて技術が確立されていった。
遺族には賠償金が50万元と早くも示された。日本円にして600万円余り。中国人の平均年収の15倍以上とか。つまり中国人の年収は平均40万円くらいと言うわけである。今までの事故では15万元くらいだから破格の金額と言うことなのだろうが、高い賠償に慣れっこの私たちはビックリする。死んだ中に西欧人が二人ほどいたというが、彼らも同じ金額と言うわけではあるまい。(賠償金はその後引き上げられた、と聞く。)
責任者を処分する、共産党幹部が全国の鉄道を視察する、事故調査委員会を作る、温家宝首相が見舞う、などとにかく当局としては一生懸命にやっているところを見せたい様子。一方で比較的高額の賠償金を払ってでも、被害者間で団結心などが芽生え、事件が長期化するのをさけたい考えのようである。
TVで専門家たちの話を聞いてなるほどとうなづくところがあった。
中国は今までの事故の延長くらいに考えていたが、権利意識が外国との接触などを通じて強くなり、そうは行かなって当局が困っている、と言う指摘はなるほどと思った。人々や外国の指摘に基づき真相を小出しながら出してきている。信号が赤になるところが実は赤になっていたなどシステムの致命的欠陥も・・・・。
もっとも落雷で信号機が壊れて事故に繋がった、という当局の発表はにわかに信じがたい。
周囲に落雷がその時期発生していたのだろうか。又落雷防止装置はついていなかったのか、落雷で壊れてしまうようなものだったのか、等々。日本では余り聞かぬ理由・・・。
従業員の経験不足を当局は認めている。ドイツでは一般の運転手が新幹線の運転手になるために3ヶ月も経験させる。それが中国の場合は10日だ、などともいう。それなら一度高速鉄道の運転は止めにして、訓練をしなおすべきではないか、との議論も成り立とう。
中国では物事を達成したか否かで見る。今回もなにやらの大会目標に走らせる事が至上命題だったようである。遅れは赦されない。すると安全対策のような目に見えぬところは置き去りになる。普通の運転士を高速鉄道の運転手にするには、ドイツでは3ヶ月のトレーニングを要するのに僅か10日でやった、とか。設備の不備やチェック不足があったのであろう。それがこのような惨事を招いたともいえよう。
実質ではなく外面を重んじる国。北京オリンピックで多くの建物が本物に見えるが張りぼてであったり、裏に回れば瓦礫の山だったりしたそうだ。「見せるものはきれいな方がいいではないか。」と言う考え。日本人から見ると奇異だが、実を言うと欧米人も私の印象では同じような考えに思える。
ただ怪しからん、と思うけれど、一方では日本人の昔やってきたことを見せられているような気もする。中国や鉄道当局を叩くことは避けて、他山の石とし、日本の高速鉄道には問題がないか、謙虚に見直すくらいの心が必要のように思う。
(後記8月13日)この事件に関する報道は減り、中国も新幹線の運行本数を減らしたり、速度を落としたり、安全を重視し始めているとのことで結構。
しかし考えてみると、日本の報道は何だか「ざまあ、見ろ。」というくらいでずいぶん激しく報道したものだ。其の影響を受けたのか、鉄道がお好きの3歳の孫は、陸橋の模型の前に新幹線を立てて「中国の新幹線、中国の新幹線!」とはしゃいでいた。子供は見ないようで実に良く見ていると驚きもした。このセンセーショナルな報道姿勢についてある報道にとれば「フランスは中国政府や鉄道局を非難するような報道を控えている。そして「システムが問題、お助けします。」と秘かに当局に売り込んでいる。日本もこのくらいのしたたかさがほしい?
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読者から次のようなメールをいただきました。
中国在住の友人は鉄道事故についてメールでこんなことを言っていた
どうせ、鉄道省の役人が高額の賄賂をせしめたので、手を抜かざるを得ない下請けが手抜きした結果だろう。はっきり原因究明すると役人にも波及するのでうやむやにするのだ。
現代版焚書坑儒だよ。鉄道省の幹部は米国に豪邸を持ってるのが多い。汚職追求も年中行事でやって居るが運が悪い連中がたまに犠牲になるだけで、お祭り騒ぎで実効はない。そんな社会だよ。
四川の地震のときも学校がつぶれたが、手抜き工事を追及しろと騒いだ市民が刑務所に容れられたようだ。要するに共産党独裁の腐敗社会なのだ。彼の勤めている学校だって校長よりも共産党の学校配属の地区役員の方がえばって居る。校長室より立派な部屋に居るよ。昔の日本の学校の配属将校と同じだ。
そのメールの直後から彼からの通信は文字化けが多くなった。最近かれはパソコンの調子が悪いので修理に日本に持ち帰るために臨時帰国すると電話して来た。
本当にパソコンのそのものが調子が悪いからだと信じている???彼はあの国にとっては「不良外人」ではないのだろう。それとも永住するための知恵か。帰国したら直接聞いてみようと思う。
それともなんかの事故で帰国が出来なくなるかなあ。