994「大学対抗競技会で投擲審判員」(9月3日(土)曇り)

東京大学・一橋大学対抗陸上競技大会に投擲審判員として参加した。
.7月中ごろであったろうか、依頼の葉書が来たとき、私はどうしてと思った。そんな競技会は知らなかったし、第一陸連の審判員になっているとはいえ、普段活動しておらず、まして投擲などほとんど経験がない。
投擲競技とは、砲丸投げ、円盤投げ、やり投げ、ハンマー投げを言うらしい。このうち今回は男子はハンマー投げ以外の種目、女子は砲丸投げを行なうという。大体、東大や一ツ橋の学生にこんな競技をやる奴がいるのか、また自分に其の審判が勤まるか、判断しかね、返事をしばらく迷った。しかし何事も経験、逃げるのはよくないと考え応募。後に杉並AC会長のAさんなどにも誘いが来ており、参加されるとのことで安心。
陸連本部に行き、ルールブックなども求めて、準備したが、間際になってまたやきもきさせること。台風27号、日本を通過しそうだが、一番激しいのが3日、雨も風もナミではない、と聞いて、果たしてできるのかいぶかった。

しかし其の台風もそれ、今朝は服装もそれなりに整えて出陣。駒場は教養時代に2年通った。懐かしい。渋谷から井の頭線で行くが、渋谷の駅がずいぶん変わってしまって、井の頭線への道を聞く有様だった。東大駒場前、確か昔は木造駅が二つあったような気がするが今は立派な駅。回りもビルが立ち並びずいぶん変わってしまった。もちろん陸上競技場の場所も守衛に聞いた。あんなところにあったのか、と記憶にない。
最初に円盤投げである。この道一筋です、などという者がいたから、やり方を聞く。距離は円盤の落下地点と円盤を投げるサークルの中心を結び、サークルの内縁部までの距離を記録とする。落下地点に巻尺のゼロをあわせ、用意が出来たら合図を送ると、サークルにいる者がぴんと巻尺を引っ張る。主任が読み取り、大きな声で記録を発表するという手順である。自分がやるのか、と思っていたところ、学生が見習いと称して沢山来ている。そこで当方としては彼らに「今、聞いたばかりのこと」を説明して、計測、円盤の回収をやらせ、後ろで見ているという寸法。さすがに学生諸君は若いから動きがいい。
円盤は体を回転させて思い切り投げるから時にあらぬ方向に飛んでゆく。その試技が無効になるのはかまわないけれど、あんなものに当たったりしたらえらいことだ。しかしやってみると円盤の飛ぶ方向を注意していれば、落下するまでに時間があるから十分逃げられると気がついた。しかし仲間と雑談などして競技者を注意していないと非常に危険である。それでもモット危険に見えるハンマー投げが今日はなくてよかった、と思う。どのように投げるのか見当がつかなかったが、フリスビー競技のように、回転をつけて飛ばし、揚力を期待する投げ方が比較的距離が出るように見えた。

ついで砲丸投げ。これはそんなに距離が出ない。鉄製のボールは男子7.2kg強、女子4.0kg、記録はせいぜい10mくらい。女子は4人が投げていた。最初に背の高い美人が出てきた。さぞかし飛ぶのか、と思ったが掛け声とともに投げ出されたタマは5mくらいで落っこってしまった。最後にでてきたお嬢さんは、普段よく食べていらっしゃるらしい。不思議にこういう方は実力がある。迫力十分で、一番良く飛んだ。投擲の試技は人数が少ない場合は6回行なう。もちろん今日は皆其の範囲の人数。3回終わると順番を最初の3回の結果に従って入れ替える。距離の出ない順。そんなことも段々覚えてくる。

昼食を挟んで午後はやり投げ。投擲の審判の要は落下地点の判定にある。円盤、砲丸は落ちた地点で試技サークルに一番近いところ。しかしやりの場合はやりが先から落ちなければならず、尻から落ちれば失格。先端が地面に触れた地点を落下地点と判定する。何しろあの長いものがうなりを建てて数十メートルも飛んでくるのである。試技するものの様子をじっと見ていないと危ない。Aさんは一度食らってしまったことがあるそうだ。
やりなげで気になったのはこれが400mトラックの中にうまく納まるか、ということ。やり投げは助走が30m強必要、やりの世界記録は確か80m前後、つまり120m近くの長さになる。計算してみるとうまく収まるのだが、皆さん、考えてみてはどうですか。
重さ800g、長さ2.6-2.7mのやりは、規定にあっており、しかも距離が出るものがよい、ということで、メーカーも競技者も色々工夫をするらしい。おかげで1本5-10万円もするとか。落ちたやりを若い学生が丁寧に回収していた。

早めに終わった。天気は幸いに崩れることなく、結果としては絶好の運動日より? 聞いたところ、今日は各地でこのような会が開かれ、審判員不足だったらしい。それで私にもオハチが回ってきた?よい勉強になったが、ずいぶん疲れたように感じた。

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