検察捜査     中島 博行

講談社ハードカバー

検察庁は、毎年検事の志願者が少なく悩んでいた。
そんなおり、日弁連の大物で法制審議会を牛耳っていた西垣が惨殺され、横浜地検の美人検事岩崎が、警察と協力して捜査に当たるよう任命される。
岩崎は、後輩の伊藤と調査を進めるうち、不動産の二重売買がらみの事件で西垣が訴えられ、しかもそれを同弁護士が勧めていたことを知る。
その糸をたぐるうちに、日弁連内部の権力争いを発見する。
そして死の直前、西垣が学会で検察解体につながりかねない「公判専従論」を発表しようとしていたことを知り、殺人の動機が、論文発表停止にあったことを発見する。
これに対し高検の司法部長は検事の独立採用性を主張した。
そして西垣の秘書の惨殺。
岩崎は、突然仕事を取り上げられ、日弁連本部が強制捜査を受ける。
犯人の転嫁と勝手なことを言う日弁連たたきをねらったものだった。
ついに岩崎は論文のフロッピーを入手すると共に、犯人が検察内部にいることを突き止めるが、殺人者の手は彼女にせまろうとしていた。
危機一髪、伊藤が登場し・・・。

・検察捜査となると刑事訴訟法193条3項によって、(警察官は)検察官の具体的指揮権に従わなければならない。
・およそ「士」とつく有資格者の懲戒権はすべて監督官庁が握っている。弁護士だけが唯一の例外だった。弁護士を懲戒できるのは弁護士会だけだ。(165p)
・「これで完璧にきれいになった。大腸菌も90パーセントは消滅した」
「あとの10パーセントは?」
「熱いコーヒーで殺菌されるから心配ないでしょう」
・尿検査でもフェニルメチルアミノプロパン塩酸塩が検出されており、 覚醒剤自己使用の事実はあらそえない。(253p)