ハヤカワ・ミステリ文庫 THE BLACK PATH OF FEAR 高橋 豊 訳
例によって男と女の美文による語りが、ハバナというエキゾチックな都市の魅力と合わさって楽しめる作品になっているが、本当のところは大人向けの童話と行った感じ。お話としては出来過ぎている。
マイアミの放浪者スコットは、ふとした事から、ナイトクラブの経営者エデイ・ローマンの運転手になる。しかしエデイの妻イブ・ローランと、激しい恋に落ち、手に手を取って、船でハヴァナに逃亡する。ところが最初に入った場末の酒場、どこからともなく近寄った写真師がフラッシュをたいた時、イヴが脇腹にナイフを深々と刺されて死んでしまった。この衝撃的な事件が、読者を惹きつける。
スコットは、一時犯人と間違えられたが、一瞬の隙をつき、貧民窟ににげこみ、ミドナイトという現地の女と知り合う。隣の阿片中毒の男から、ナイフを買った店の主人が、実は阿片を輸出しており、その受け手がエデイであることを知る。
エデイは張り込みを逃れ、ミドナイトと連絡を取りながら、本拠地に乗り込む。しかし捕らえられ、これで終わりと思わせるが、ミドナイトの連絡で警察が駆けつけ一味が御用。
中国人が自殺したため、エデイとの関係は証明出来なかったが、スコットは許さない。マイアミに戻り、屋敷に忍び込み、見事本懐をとげ・・・・。
r991013