イタリー出身のフランチェスカは、45歳、リチャードと結婚してアイオワ州の片田舎で暮らしていた。二人の子に恵まれ幸せではあったが、少女の頃夢見た華やかな生活とは違っていた。
近くの屋根着きの橋の写真を撮るために、フリーのカメラマン・ロバート・キンケイド52歳が訪れる。そしてふとした出会い。
丁度フランチェスカの夫と子供たちは、少し長い間、家をあけていた。二人は次第に引かれ、激しい恋いに落ち4日間を過ごす。
やがて別れ・・・・フランチェスカは、ロバートを好きでたまらないが、夫と子供たちの立場を考えて、そのまま残る。ロバートからフランチェスカに、橋を撮った写真を掲載した雑誌と一緒に、短い手紙が送られてきた。
それから何年かたって、法律事務所から、フランチェスカにロバートの死を知らせると共に、生前の手記、カメラなどの遺品が贈られてきた。フランチェスカは、家庭を愛しながらもロバートへの愛を胸に秘めて死んでいった。死後子供たちが母の遺品の中から、母の真実の姿を知り、公表した。
一見日常に満足しているようでも、人には隠された理想があるときがある。そんなとき、伴侶と違う価値観を持った人間に出合うと、恋が芽生えるときがある。しかもそれは、時によっては若い頃に劣らぬ激しいものになる・・・・。しかし、すでに過去があり、それを簡単にすてるわけには行かない。よく心情の理解できる小説と思う。
・「写真は撮るものじゃなくて、作るものなの?」「ええ、少なくとも私はそう考えています。・・・・・」(70p)
・現代の悲劇は、長期的な弊害が生じるおそれのある場所で、男性ホルモンが優位に立っていることです。たとえ国家観の戦争や自然破壊がなくなったとしても、私たちが互いに近づくのを妨げたり、私たちを大切な問題から遠ざけたりする攻撃性はなくならない。・・・・(130p)
・私は死んでしまった心をかかえて生きています。 そうとしか表現しようがないのです。
あなたの前には、ごくわずかですが、女性がいたのに、あれ以来一人もいません。
別に意識的に独身を通そうと誓ったわけではなく、ただ興味が持てないのです。(172p)