死体のC           スー・グラフトン

ハヤカワ・ミステリ文庫

 私立探偵、キンジーミルホーンは、自動車で追突事故に遭い、友人を失い、自分は瀕死の重傷を負い、リハビリトレーニングに励むボビー・キャラハンから「自分は殺されるところだったのだ。犯人を捕まえて欲しい。」との依頼を受ける。
 ボビーは母親グレン、継父デレク、デレクの子で麻薬中毒のキテイと住んでいるが大金持ちである。家には病理学者のジム・フレーカー、その妻ノーラ、グレンの友人スーフイ等が出入りしている。調査を開始して、ようやく家庭内の人間関係が分かった頃、ボビーが再度の車の事故で死んでしまう。
 ボビーは生前、フレーカー医師の勤務する病院の死体保安室で働き、何かを探していたらしい。ノーラはかってある建築技師と結婚していたが、その技師は、自宅で強盗に襲われて、殺されたことになっていた。ノーラは、またボビーと親しくしていたが、彼らの不倫の橋渡しをしていたのが、スーフィらしいことが分かる。そしてノーラのおびえた顔・・・
 これらの事実をはめ絵のように組み合わせ、キンジーは「ノーラが建築技師を殺した。
ボビーはその凶器が死体保安所の死体と共に保管されていると推定し、調査していた。
フレーカーが秘密の暴露を恐れてボビーを殺し、キテイを麻薬患者に仕立てようとした。」と推定。最後に死体保安所で、キンジーとフレイクが対決するところが見せ場。

 例によって事件の本筋とは関係のない、キンジーの家主ヘンリーをだまそうとする女詐欺師ライラ・サムズの話しが並行的に進められている。キンジーの私生活を描くという考えから 加えられているようだ。 またエンタテイメントと言えばそれまでだが、最後の暗い死体保安所でキンジーが死体のX線写真を取って、銃のありかを確認するくだりは出来過ぎのように思った。

・ラベルは、ブドウ園の労働者がいつもストライキをやってばかりいるワイナリーのもので、労働者たちが不当な労働への腹いせに、つみとるブドウにおしっこをひっかけたのではないかと思えるほど、ひどい味だった。(88p)
・(クローン病)炎症性の腸の病気さ。何を食べても栄養にならずにすぐ出ていってしまう。だから体重を増やすことが出来ないんだ。年中熱っぽいし、腹もいたい。(199p)

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