丑三つの村     西村 望

講談社ハードカバー

昭和12年に岡山県の日暮村という山村で起きた、肺病患者による6家族惨殺事件を描く。
犬丸継男は砂屋敷で貧農の子として生まれた。
やがて両親が死に、祖母に引き取られる。
たった一人の姉ふみ子は、他家に嫁いでしまった。
頭は良かったが、師範学校に行く夢は叶えられなかった。
検定試験の最中に肺病に犯される。
徴兵検査もこれではねられてしまった。
肺病の噂は村に広がり、やがて村のみんなから嫌われる様になった
いったんは結婚を約したやす子には肺病の故にふられた。
働くことがいやになり、先祖伝来の土地の売り食い生活が始まった。
和子の家に夜這いをしたが、間違えて母の常代の布団に潜り込んだ。
「夜這いは一人前の男のすることじゃ。・・・・おまえみたいな病気たれはそこらの石垣の穴にでも突っ込んでおけ。」
とあざけられる。
継男は次第に村全体に報復する事を考える様になる。
大阪に行き6連発銃を買い、それをさらに改造。100発の弾も用意する。
事件当日、夕方、継男は村の電線を切り真っ暗にする。
次々とターゲットを遅い、用意したカンテラで照らしだし、射殺する。
6家族30人あまりが殺され、継男も自殺する。
いかにして狂気に走ったかを描いた作品。
山村の暗い生活が良く描かれ、興味深い作品になっている。