創元推理文庫 NEW YORK BLUES 村上 博基 訳
三時
彼は恨みや憎しみを、胸の奥にじっと暖めておく男だった。その彼が妻の浮気らしい痕跡を発見。保身本能から彼は妻を殺す決心をし、時限爆弾を自分の家の地下にセットする。そして家を出ようとしたとき、泥棒を発見。
ところが逆にやられて地下に縛られたまま放り込まれてしまう。爆発予定時刻は3時、目の前でどうすることもできない時限爆弾のチックタックの音が・・・。
自由の女神事件
自由の女神を見物に妻に無理矢理にやらされた刑事は階段の途中で一休みしているデブに会い、てっぺんでは妙な落書きをしている女にあった。そしてそのデブがいなくなり、死体で発見される。入り口の名簿とてっぺんの登頂名簿を照らし合わせ、犯人を推定、女が書いていたのは待ち合わせのバス停留所と見破った彼は、デブの妻と若いツバメを逮捕。
命ある限り
ふとしたことから知り合った男と女は愛し合って結婚するが、ふとしたことが積み重なり憎み合うようになる。女はそこで若い情夫を見つけ、夫の元から逃げ、ニューヨークに向かう。
しかし、追われた二人はスピードをだしすぎ事故。情夫が死亡、下半身不随となった妻を「命ある限り」これから一緒に居続ける夫がのぞき込んでいた。
死の接吻
やくざの亭主から逃れたい女は、亭主が女を殺し、アリバイ工作をしようとしているのに目をつけ、亭主を陥れようとする。罪をかぶせようとした男の指紋をピストルから消し、死んだ女の口紅をつけたカラーを亭主の洗濯かごに・・・・。
特徴のある服を子分に見られたため、露見して、危うく殺されかけるがそこは危機一髪。
皆捕まるのだが最後に刑事が一言「奥さん、死体に工作をしましたね。カラーのキスマークがさかさまでしたよ。」
ニューヨークブルース
もう奴らが俺を襲い、殺すことははっきりしている。俺は最後のひとときをホテルの一室で静かに過ごす。死が一歩一歩近づいてくる。
特別配達
ある朝、新聞を見ると赤ん坊を誘拐し、身代金を要求するという凶悪な犯罪。馬に乗って牛乳を配達する私はある家でそれらしい赤ん坊の泣き声。そう言えばこのうちはむやみに牛乳を取ったり、誘拐された子が好きなオレンジジュースをかったり・・・。乾坤一擲、赤ん坊を盗み出して帰ると私は英雄。
隣の死人
牛乳泥棒を捕まえようと男は罠を張り成功、ところが床にたたきつけたら、ぐったり。あわてて隣に空室のたてかけベッドと壁の間にそいつを入れる。少したつと妙な臭い。男は次第に神経がいらだってくる。あれがばれたら身の破滅。
隣に新婚夫婦がやってきてベッドをおろそうとする。あわてて、新婚の夫をたたき殺す。ベッドの奥には何もない。あいつは脳しんとうを起こしただけで、とっくに逃げ出していた。しかし男は今や立派な殺人犯。
ガムは知っていた
ホテルで働くモリーの唯一の趣味はガムをかむことだった。三人の男が殺人の責任を前科者のフェリスにかぶせようとする。彼らはフェリスの部屋のノブと死体の転がる部屋のノブを替えてしまう。しかしフェリスの部屋のノブにはモリーのかみかけのガムがついていた。
借り
刑事スタージェスの娘を乗せた車はいつの間にか坂道を下り、湖へ。しかしいち早く助けてくれた男がいた。スタージェスはトリントン事件の犯人を追っていた。ついに犯人は追いつめられたが、彼は最後にスタージェスの家に押し入った。よく見るとその男は娘を救ってくれた男。良心の仮借に悩むスタージェスだが、彼はついに犯人を逮捕する。
目覚めずして死ねば
ミリーが見知らぬおじさんにお菓子を貰うようになってまもなくいなくなった。その1年後今度はジーニイがやっぱり知らぬ男にお菓子を貰い・・・・。ジーニイは行く先で、色チョークでマークを書く癖がある。
刑事の息子の僕は探しに行き、とうとう森のあばら屋で彼女を発見。男に捕まってしまうが、最後にお父さんが駆けつけ、めでたし、めでたし。
さらばニューヨーク
生活に困った夫はとうとう殺人を犯してしまった。どの男もみんな刑事に見える。そんな中を私たちはニューヨークを後にし、あてどない旅にでる。
ハミング・バード帰る
盲目の母親と話し相手の元に息子が仲間と瀕死の男をつれて帰ってくる。しかし彼は今やお尋ね者。でも彼の心はまだ良いところがあった。母に銃を向けた相棒とあらそう。
しかし、運悪く殺されてしまう。母は息子が私を救って去っていったと信じる。
送って行くよキャスリーン
前科者の好きなキャスリーンは今富豪の息子の婚約者。もう最後と送って行くと、彼女は突然森の中でいなくなった。そしてその惨殺死体が発見され、疑いはその前科者に。
しかし、彼をあつかった刑事は彼の無罪を信じ追跡。富豪の息子こそ臆病者で、嫉妬にかられてキャスリーンを発作的に殺した事を摘発する。
(参考) 爪
ロベールの見習いボーイのアンデイは、主人の居室に忍び込み、金庫をあけようとするが、バネ式だったため、間違って自分の指を切ってしまう。その上、たまたま戻ってきた主人も撲殺する羽目に・・・。指のないことからアンデイが犯人らしいことが分かるが、証拠の切れた指がない、刑事は家捜しを始める。追いつめられたアンデイはそれをそっとウサギのシチュウのなかに・・・・。
客の老婦人が言う。「このシチュウは味がおかしいわよ。」
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