ハヤカワ文庫 BLUE BELLE 佐々田 雅子 訳
バークというストリートキッズの大将みたいなスタイルで生活をしている私立探偵が主人公。風景描写、感情描写と言った物が少なく、短い会話と事実を書き連ねていくことによって読者に雰囲気を伝えようとしている。576ページ177章で章単位が短く、中には10行程度の物もあり、なにか映画のシナリオを読んでいるようだ。また一方で現実にありそうかどうかよりも、詩か童話を読んでいる感じがする。活劇もさることながら、ベルの純な愛を行動と会話を通して良く描かれている。
バークの仲間は、たまり場である中華料理店の女主人ママ、天才的運び屋マックス、最古セラピストイマキュレータ、その養子テリー、男娼ミシェル、浮浪者ブロフ、科学技術者モグラなどなど。探偵のまわりにこれだけ使える能力者をそろえるやり方は都筑の「なめくじ長屋捕物帖」を思い起こさせる。
さて、ストーリー。ポン引きマークス・デユプリーの使いとして、バークの元にやってきた女はベルと名乗った。圧倒的な肉体を持つストリッパーながら、心は無垢、バークに惚れ、一緒に過ごすようになる。
マークスの希望は少女売春婦を次々に襲う「幽霊ヴァン」を片づけてくれというもの。バークは暗黒街に探りを入れ始めるが、ブロフを倒された上、血に飢えた空手使いモーテイをおびき寄せてしまった。彼はとにかく決闘を望み、すでにいくつかの地下道場を襲い、日本人との果たし合いでは相手を殺しているという。
バークはマークスの仲介でモーテイと平和裏に話し合おうとしたが成功しなかったようだ。「幽霊ヴァン」を追ううちに、彼らの目的が少女惨殺ビデオを作り、これを愛好者に売りつけている、と知る。そしてモーテイ等が「幽霊ヴァン」と結びついているのだ。
バークは気脈を通じているマゴーワンと計って、女たちを整える、マジックミラーを用意するなど万全の準備をして、売春屈を作り営業絵お開始、一味が罠に落ちるのを待つ。そしてモーテイの手下ラモンを捕らえ、一味の巣窟を爆破する。モーテイと対決し、ついにこれを倒す。しかし混乱の中でベルは銃弾に倒れる・・・。
・リムジンは銀行の金庫室みたいに安全なはずだった。ところが、反対派はその車をロケット弾でぶっ飛ばしてしまったんだ。わかるか?パターンを読んで、どうしたらいいか研究したんだな。(393p)
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