Pan(original)
華麗なスパイ小説。華麗な、と言った意味は作者が読者を喜ばせる手段を縦横に駆使して、エンターテイメント小説として仕上げているからである。
IRAにKGB、そして英国情報局、舞台はモスクワ、パリ、ロンドン、絶対に負けない程強い主人公ケリーこと司教キュザンヌ、彼に父を殺された国際的ピアニストにして美人のターニャ、野性的なジプシー女モラグ嬢、主人公の狙いは最初はモスクワの命に従い、北アイルランドの混乱、モスクワに捨てられたと知るや法王暗殺に変更、最後にはカルメンみたいにタロット占いまで飛び出して、道具立てが揃う。そしてIRA、英国当局、モスクワ三者が次々に襲いかかり、主人公は危機一髪の連続、読者はどきどきはらはら間違い無しという寸法。007みたいだが、時代の大きな流れを感じさせると共に、主人公が死に、人間は結局将棋の駒みたいなものだと感じさせ、悲劇で終わるところが一寸違う。
1959年、革命家の子として生まれたケリーは、KGBのスパイの訓練で仲間のヴェローニン等を殺してしまうが、その能力を買われて、北アイルランドに派遣された。一方ヴェローニンの娘ターニャは、モスロフスキー大佐に引き取られ、モスクワに連れ帰られる。
1982年、IRAと当局の橋渡し役だった実業家が惨殺され、英国秘密情報局のファーがソンは、KGBの謀略をかぎ当てる。フォックスをIRAに派遣し、事情を頭目のデヴリンに説明し、対策を練ろうとする。ところがケリーは、ここの司教キュザンヌになりすましており、すべての事情を盗聴、この和平交渉を妨害する。
ファーガソンはケリーを探し当て、今は国際的ピアニストになったターニャにケリーが誰になりすましているかを聞こうと考え、協力的になったデヴリンをパリに派遣する。ターニャは進められてフランスからイギリスにわたり亡命する。
事情を知ったモスロフスキーの上司アンドロポフは、ターニャ、キュザンヌ等関係者の殺害を命じるが失敗。モスロフスキーは失脚する。
キュザンヌは、今やモスクワが自分を殺そうとしていることを知り、目的を失い、せめてカンタベリーに来る法王を暗殺して名を挙げようと考える。逃亡生活を続けるうちに、危機を救ったジプシーのモラグ嬢と出会い、一緒にロンドンに行く。
別れて、キュザンヌはいよいよ法王が私的による予定のカンタベリー近くのストッキーホールへ。事情を察したファーガソンも、デヴリンにスーザンなる女性警官をつけて派遣。法王危機一髪、しかしデヴリンは倒されたものの、スーザンが油断したキュザンヌを撃ち殺す。
CONFESSIONAL ノート
PROLOGUE 1959年
雨のドルモレの町は軍事記念日のパレード中、ケリーはマーフィー酒場の主人からバッグを渡され向こうのトラックに放り込むよう言われるが、出た途端ランドローバーの三人組に捕らえられる。しかし隠し持った銃で三人を射殺。モスロフスキー大佐が現れストップを命じる。「武器を持つなと言ったはずだ。」「酒場の主人がスパイなどと、筋書きににはなかった。どういうつもりだ。」で対立、話し合おうと言うことになる。KGB13部は、外国における殺人等を専門とする機関だが、1919生まれのモスロフスキーはそこのエリート。彼らは北アイルランドのドルモレ等外国の町のモデルをここウクライナに作り、訓練を重ねていたのだ。
ドルモレの一室で心理学者ポール・チェルニーがくつろいでいる。34歳の彼もまたエリート。モスロフスキー、チェルニーそれに物理学者のレヴィンの三人で今日のケリーの行動について協議。殺された警察官はヴェローニン以下。ケリーは1938年アイルランド共和国でIRA活動家とロシア人の間に生まれ1953年にロシアに来た。今日の行動は行き過ぎもあるもののその能力は高く第一線で使えると評価。
モスロフスキーはケリーをチェルニーに渡し、アイルランドアルスターに潜入するよう指示。自分の娘を失ったばかりだったモスロフスキーは、ヴェローニンの遺児ターニャをモスクワに連れ帰り、妻のサーシャに預けようと決心する。
incense=香りscruff=首筋constable=警官carnage=虐殺tentacle=触角psychiary=精神病棟martyr=殉教者thrive=栄えるantagonist=敵対者fret=いらいらする
1982年
1トニー・ヴィリエ少佐がチェルシー兵舎に入った時、誰もいなかった。用意された高級シャンパンを飲むと苦しんで倒れた。
気がつくとヴィリエは捕らえられていた。1週間前まで彼はバルシ族を使ってマルキストのゲリラ狩りをやっていたが、いまや敵国領南イエメンのビルエルガファニに捕らえられていた。サリムの話によればここはラシドの国で、お前をロシアに売れば高く売れるという。一人の男が捕らえられてきた。彼はファサリから来たロシア人ヴィクトル・レヴィンと名乗る。
同じ場所につながれていた二人の会話、レヴィンは68歳で家族が死んだためソビエトを逃げ出した、出来ればイギリスに行きたいという。
彼はまたヴィリエにアイルランドアルスターでのIRA活動について話し、ヴィリエは経歴から興味を引かれる。
二人はしばらくして引き出されユーリ・キロフ率いるロシア軍に売られ、サンドクルーザーで連れて行かれる。このときロシア人は彼らをだました。
そこは滑走路1倉庫3を有する基地で二人は前よりはよい待遇を受ける。次はアデン、その次はモスクワ?二人は身の上を話し合う。
伍長と一緒にやってきたアラブ人はなんとビルエルガファニのサリムだった。三人は伍長を倒し、サンドクルーザーを奪い、それでミグ戦闘機、ヘリコプターを破壊して逃走した。
tunic=軍人などの袖の短い上着hoarse=(声が)かすれた padlock=南京錠quirk=急な転向、急変ochre=ocher=黄土黄土色
defect=逃亡するgladiator=剣闘士goggle=ゴーグルdeceiver=偽善者flank=側面に置くhangar=格納庫spire=尖塔corporal=伍長sentry=歩哨、見張りravine=峡谷debris=がれき
2英国秘密情報局は反スパイ活動を任務としていたが、IRAテロなどの増加によりヤードよりも重視されるほどだった。その長官ファーガソンがフォックスと話していると電話がなり、IRAのテロを伝えた。
ロンドンデリー近くのキルガノンで郵便配達夫がクルチャランに襲われ、車と衣服を奪われた。
カトリック、プロテスタントに多くの職を提供していた実業家ウオルフガング・バウムがクルチャランに襲われた。バウムはIRA指導者のマギネスにも会ったと言われている。クルチャランは牛乳屋の車を奪いアイルランドに逃走し、IRAの犯行と当局に通報。
「こんな事件をおこして何がいいんだ。」とファーガソン。北アイルランド州から呼び出しがかかる。
フォックスと議論しながら過去の関連テロを分析するとカソリック、プロテスタント双方が被害を受け、しかも事件のない平和に向かおうとしている時に起きていることが分かる。「どうもこれはこの地域に騒乱を意識的に起こそうとしているようだ。そうとすればマルキストの匂いがする。」「それなら数週間前にヴィリエと一緒にやってきていまはフォークランドでSAS一員として活躍しているヴィクトル・レヴィン、あるいはアイルランドに亡命した心理学者チェルニーをあたろう。」
レヴィンはそれはおそらくケリー、コード名クチャランのことではないかという。しかし何分昔のことであり分からない、自分以外に世界的ピアニストターニャ・ヴォロニノーバが彼のことを非常に気にかけていたという。しかし彼女は、いまモスクワで仕方がない。クチャランはフォックスを呼び、ダブリンに赴きIRAと共同で捜査することを提案させることにする。
deprive=奪うvillain=悪者、悪漢hurl=強く投げつけるcallous=無感覚なcheroot=両切り煙草
3ダブリンに着いたフォックスはIRAのマギネスに会うことに成功。事情を説明する。しかしケリーは「誰と言うこともあり得る、しかし後から連絡する」と言われる。
ホテルに戻ると自室にマギネスがいた。彼は軍や警察の不介入などを条件とする、またIRAメンバーリストは渡さない、中立の男ライアム・デヴリンにチェックさせたいという。当局は79年にSASによって誘拐させ、マルタン・ブロスナンのフランス刑務所脱出を手助けしたことがある。ファーガソンに連絡するとデヴリンと直接話したいので彼を尋ねろ、と命令される。
マギネスがつけた護衛に断って彼はキルレアでデヴリンに会う事を約束。双方ボスに連絡。フォックスは、車の中で、デヴリンはIRAのガンマンになった男、スペインでフランコに反抗し、その後チャーチルをヒトラーの命で誘拐し損なった男、再びIRA運動に参加した者の暴力主義に失望し、いまは大学教授となっている男だ、そんな男を果たして信用できるのだろうか、と自問する。車はようやくキルレアに到着。
fawn=鹿皮のstumble=つまづくabortive=初期の、未熟なcoerce=強要する
4フォックスが会見に望むとデヴリンの他にキュザンヌという牧師がいた。彼はアメリカでデヴリンに教えられて僧職を得、アイルランドに戻ってきて一時は過激な運動もしたがいまでは隣でホスピスをやっている。
二人を残してさったキュザンヌはかっては闘士だったがいまでは癌で死の淵にあるマローンを見舞い、その口から兵士で休息を必要とする者はグラスゴー近く、ヘクターとアンガスの運営するムンゴなる施設に行くと聞く。
マギネスも銃を片手にあらわれるが、フォックスの論は一応合っているので検討した結果あの亡命心理学者チェルニーが怪しいと言うことになり、マーフィーとマギネスで監視する事にする。
フォックスの連絡にファーガソンは「法王はこちらに来ないことにする一方、エグゾセミサイルをほしがっているアルゼンチンの教皇と、打ち合わせるらしい。レヴィンを代わりに送るからすぐ帰ってこい。」
フォックスはキルレアから帰路につく。
しかしキルレア小屋は高性能の盗聴器が備え付けられており、クルチュランはデヴリンとフォックスの会話、ファーガソンとの電話内容を知る。すぐにダブリンのチェルニーに連絡し、打ち合わせることにする。
brogue=頑丈な靴snifter=ほんの一口curate=副牧師lucid=意識のはっきりしたretreat=退却、静養先effrontey=厚かましさcardinal=枢機卿confer=贈る、打ち合わせるcoin=造り出すeavesdropper=たち聞きする人
5フォックスと運転手ビリーは空港に到着。しかしこれをクルチュランがつけている。ビリーはレヴィンを迎える。レヴィンがロシア人と知ってびっくり。
キルレアではシスターアンヌ・マリーが見守る中、マローンを見舞う。
キルレアに向かったビリーとレヴィンは警官を装ったクルチュランに待ち伏せを食い、撃たれる。レヴィンのみ生きてホスピスに運び込まれ、クルチュランの存在を告げた後死ぬ。ファーガソンはIRAから情報リークがあると考えターニャとの接触を考える。
そのころダブリンのカトリック教会にいたキュザンヌは、ホロランと法王の来英日程など話していたが連絡で二人の暗殺を知る。
チェルニーは教会懺悔室でクルチュランと打ち合わせる。「ドルモレの話がレヴィンから漏れたかもしれない。マクロフスキーは撤収を命ずるか。」等。跡をつけていたマーフィーはキュザンヌに暗殺される。
デイミトリ・リボフはソビエト大使館付きだがKGBの最高指導者。チェルニーからの連絡でクルチュランが発覚したかも知れないことを知らせる。
ファーガソンはキルレアでデヴリンと話し、デヴリンにターニャに会いにパリに行くことを要請。それを聞いたキュザンヌはあわてて盗聴装置を巻き戻し、いなかった間のことを聞いたが遅かった。彼はチェルニーにあわてて連絡を取る。
downpower=どしゃぶりordainn=定めるcarnage=殺戮slacken=ゆるむjeopardy=危険coroner=検死官gargoyle=樋嘴plank=厚板leeway=行動の
6ケリーことキュザンヌことクルチュランは「わたしは自分自身のあやまち故に罪を犯した。」と涙しながら懺悔する。シャルル・ドゴール空港でデヴリンとトニーは落ち合い、ターニャの跡をつけ始める。モスロフスキーはクルチュランが発覚した、デヴリンがターニャに会うためにパリに赴いたの情報を受け、ターニャの演奏会中止、モスクワ移送、ケリーとチェルニーの抹殺を命じる。パリにはその報到着が遅れる。ダブリンではルボフが過酷な命令に愕然とする。ターニャは朝食を終えコンセルヴァトワールに向かう。今夜ラフマニノフピアノコンツエルト4番を演奏の予定。一度馬鹿な恋をして破れたがまだ心は乙女である。
モナリザの絵の前でターニャに近づいたデヴリンは、次第に正体を現して行く。しかしターニャは逆に革命の虚しさを解き、彼にどうしてパリに来たか話すよう要請する。彼はイエメンにおけるヴィリエとレヴィンの出会いから始めて、キルレアにおけるビリーとレヴィンの死まで話した。その上で彼はモスロフスキーの正体を話し西側に亡命するよう説得した。しかし彼女は一方ではロシアを愛している風で話し合いは不調に終わった。デヴリンが去るとGPUのツルキンとシェピロフがお手伝いのナターシャと共にあらわれ、ターニャを大使館に拉致する。
crease=折り目のついたotderly=当番兵untidy=くしゃくしゃにしたharrowing=痛ましいbrowse=漫然と商品を見るstunt=発育を妨げるcloister=引きこもるimplacable=なだめられない、容赦のない
7パリのベロフは女中のナターシャと共にあらわれたターニャと会見、モスロフスキーと連絡を取り、デヴリンとの接触を禁じ、今夜のコンセルヴァトアール出席までホテルで待機、明朝モスクワに戻るよう命令。
キルレアでは「デヴリンとマギネスが会談、クルチュラン探しに躍起になる。フォックスとデヴリンがパリの話とチェルニーの監視の話にふけっているところに、キュザンヌが入ってくる。
ターニャはモスロフスキーが反対すればただの人になることを悟り、デヴリンの与えたパスポート、アメリカンエクスプレス等を頼りに亡命しようと決意する。ナターシャの目をごまかすコンサートは大成功だった。その後、トイレで衣装を着替えたターニャは窓から脱出、すぐに雨のマドリッド通りでタクシーを捜していた。
entrap=罠にかけるprerogative=特権階級cipher=ただの人wriggle=くねくねよじらせる
8北駅からターニャはレンヌ、サンマロー経由でジェットホイルに乗りジャージーに行くと連絡。ロンドンで会うことを約束。デヴリンはファーガソンに連絡。彼はすぐフォックスを動かす。盗聴したキュザンヌはチェルニーと相談、ルボフからベロフに連絡を取りターニャを取り返すよう工作。パリではツルキンがターニャの逃亡に気づく。ベロフはナターシャを攻めるがらちがあかない、しかしルボフからの連絡で逃走経路が分かり、サンマローで捕らえようとする。
ファーガソンはジャージーに誰を迎えにやるかで苦慮するが、同地に住むアレクサンダー・マルタンを見つけ、ほくそ笑む。フォックスから連絡を受けたマルタンはすぐに受け入れ準備に入る。ソビエト大使館ではサンマローに連絡がとりにくいためジャージーで捕らえようと考える。殺すことも考えたがマクロスキーの立場を考えるとそうは行かない。車で拉致を考える。
ターニャはレンヌから電話でデヴリンに連絡、デヴリンはマルタンが迎えに行くと告げるが盗聴されている。ツルキンとシェピロフはクロア空港から私営飛行機で飛び立ち、ジャージーに到着、港にタクシーで行く。サンマローから来る船の到着場所を確認し、脱出用ボート、飛行場等もチェックし万全。ターニャはジェットホイルに乗り安心、浅い眠りに落ちる。
港でマルタンがターニャを発見、彼女に挨拶し、自分の車に連れて行こうとするが、ツルキンとシェピロフに銃を突きつけられる。船に運ばれる途中、マルタンはシェピロフに襲いかかってたおし、さらに気のついたツルキンを狙撃する。
プジョーに乗り、ターニャはマルタンの傷を処置。ヒースローで二人を迎えたフォックスはファーガソンに連絡する。ターニャはシャンパンを安心して飲む。そのころマルタンは妻の「何かあったの。」の質問にとぼける。
clairvoyance=透明なbunk=寝台hunch=こぶinborn=生まれつきのesplanade=海岸の遊歩道hiccup=しゃっくりの音moor=つなぐ、もやうexhilate=気分を浮き立たせるscowl=顔をしかめるgalley=ガレー船、船舶内の厨房slash=深い傷口
9ファーガソンは、アルゼンチンでHMSがスカイフォークスに撃沈された事など相手にせず、フォックスにパリにヴィリエを迎え、すぐ戻ってターニャをダブリンに連れて行くよう指示する。モスクワではアンドロポフが共産党書記に指名される。彼はマクロフスキーを招きターニャ殺害を指示する。この忌むべき命令を受けたダブリンソビエト大使館ルボフはいやいやチェルニー、キュザンヌとシテイケイの倉庫で会おうと提案するが、チェルニーは怪しいと感じ、キュザンヌに電話。キュザンヌも同様に考える。
チェルニーをキュザンヌが訪問、屋上に誘い突き落とす。さらに彼は倉庫で待っているルボフを襲い刺し殺す。教会に戻ったキュザンヌは、自分が今や裏切られた事を知り、どうして良いか分からない。デヴリンとターニャが面会、今宵は司祭を招いてデイナーにしようと誘う。彼は、さらにマギネスに連絡、明日確かめようと言う。キュザンヌはミサを行いに行く。台所でミサがあると聞いたターニャは出かけて行き、聞くが司祭があの忘れもしないケリーと知って驚く。ターニャは逃れるがキュザンヌは追いつき、害を加えないと表明、そこにデヴリンがあらわれる。キュザンヌは二人にルボフから奪った銃を突きつける。
台所でキュザンヌは自分の過去を振り返る。スペイン戦争での勇者シイン・ケリーがロシアの女性と結婚し、わたしは生まれた。父がIRA闘争がらみで殺され、母に連れられモスクワに渡り、チェルニーに見いだされ、兵士として北アイルランドに騒動を起こす目的で派遣され、司祭になり、盗聴器を通じて情報を得て多くの人を殺したが、いまやモスクワからも捨てられたことを。さらに今は一人、する事とてなく、カンタベリーに行き法王を暗殺したいと。二人を縛り付けながらキュザンヌは去って行く。
自室に戻ったキュザンヌは、すべてを整えてモーターサイクルで出かけて行く。電話が切れたことに不審に思ったマギネスが駆けつけ、ターニャとデヴリンを解放。事情を聞いてかんかんに怒ったマギネスは、キュザンヌをアイルランドの地から出さぬ、と追って行く。
wreckage=漂着物、残骸impresario=興行主bungle=しくじるwilt=しぼむstiletto、poniard=短剣acolyte=侍者genuflect=(礼拝のために)片膝を折るleech=ひるtruss=しばる、くくる
10ダンダーク湾バリーウオーターにキュザンヌあらわれる。彼はマローンか情報を得ていた。IRAのデイーガンは、マギネスからキュザンヌについて電話を受けるが、そこにキュザンヌが到着、マン島に秘密にわたれないか尋ねる。デイーガンはマギネスに電話し、海に出たら射殺するよう指示を受けるが、キュザンヌは盗聴していた。そして海。デイーガンは付き添い二人と共にキュザンヌ殺害を謀るが、帽子に隠した銃でキュザンヌは逆に三人を射殺、船を爆破し、救命ボートで脱出、ダンダークに戻る。
沿岸警備艇が爆発音を聞き、漂流物を発見。マギネスを通じてデヴリンにキュザンヌが死んだらしいことが伝えられる。ファーガソンも安心。キュザンヌは4時にアルスターに戻り7時半マン島へ飛行機で向かう。11時半デヴリンはファーガソンに電話でデイーガンが生き残っており、キュザンヌが逃げたことを伝える。ファーガソンはデヴリンにターニャと一緒にロンドンに来るよう指示。
ブラックプールの税関は親切だった。キュザンヌは簡単に通り抜ける。デヴリンは病院に行きマローンと会談、彼がデイーガンの事を教えたなどと知る。キュザンヌは観光客に混じってゆっくりバスで行くことを考える。
skipper=船長elapse=経過するprow=船首ecstatic=有頂天のexasperation=激こう
11ファーガソンはロシア大使館ロマノフと会談し、とにかく法王暗殺を阻止するよう協力することを約束する。彼は次に首相に面談し、隠密のうちに事を処理するよう命令される。モスコーではアンドロポフがモスロフスキーを呼びつけ、解雇とルビアンカ行きを命じる。ファーガソンはデヴリンと会見、キュザンヌについてすべて情報が計算機の中に入っていることを誇るが、何か向こうが現れて来ないと手のうちようがない。法王ジョンポールのお付きたちは法王の身を案ずるが、法王の訪英の意志は変わらない。ファーガソンはデヴリンにも対応するよう要請する。
キュザンヌはカンタベリーには実行の日に行けばよいと考えバスでグラスゴーに向かっていたが、途中で大雨にあう。崩れかかった家の中で救いを求めるイタリア人、彼は司祭としてハーデイなる男と共に助けに向かうが、出口付近で落ちてきた煉瓦で昏倒する。
botch=ぶざまなつぎはぎvacate=空けるdesignate=指名するkit=装備をつけさせるwince=ひるむ、縮み上がるaperture=隙間gurgle=ごぼごぼabsolve=解放する
12キュザンヌが気がつくと売店のモイラがのぞき込んでいた。しかしその間に床に落ちたバッグが半分開きかけていたのを、刑事のブロデイが調べだし、不審に思い、キュザンヌに手錠をかけてしまう。ブロデイはグラスゴーに電話し、すぐにロンドンのトレントにつながり、でかしたとほめられる。グラスゴーで会おうと言うことになり、ブロデイはキュザンヌを列車に乗せる。しかしブロデイがキュザンヌをバカにしたことから、キュザンヌが反撃し、ブロデイを倒してしまう。そして列車から脱走。ムンゴ兄弟のところがすぐ近くだったので向かう。傷をかばうブロデイにトレントはあきれて、ファーガソンに連絡。ファーガソンはフォックスと協議し、列車の切符の購入経過からムンゴ兄弟のもとに言ったと確信する。
キュザンヌはモラグ嬢とドナル坊やに遭遇、ドナル坊やを救い、フィンレーに導かれてその小屋に行くが、おかしな甥のムレイがそこにはいた。翌朝眠りからさめてキュザンヌはフィンレー等から事情を聞く。ムレイはモラグ嬢を襲おうとしたが、キュザンヌ、フィンレーに止められ、ドナル坊やを連れて逃げ出す。新聞をみてキュザンヌの正体を知り、保安官と共に戻ってくるが、モラグ嬢の機転で危険を察知したキュザンヌは彼女と共に車で逃げ出す。
grope=手探りするlurch=よろめくapprehennd=逮捕する(文語)slip-up=誤り、間違いkeel=ひっくり返すbirch=カンバgrouse=雷鳥plover=チドリescarpmet=急斜面glen=峡谷loch=湖scowl=しかめつらlurch=よろめきsalient=顕著な
13逃げ出した二人、キュザンヌはムンゴ兄弟のところに行くことにし、彼女はキュザンヌを送った後、ロンドンにいる叔母ジプシーローズを尋ねることにする。グラスゴーについたデヴリンとフォックスは、トレントと打ち合わせムンゴ兄弟を追うことにする。一方隠れ家のヘクター・アンガスのムンゴ兄弟は新聞でキュザンヌとモラグ嬢のことを知るが、ちょうどそこに彼らが車を乗り入れて来る。
兄弟は二人を一晩泊めることを請け負い金を受け取り、部屋に案内し、二人は休むが、すでに逃げ出すことを考えている。トレント、デヴリン、フォックス、ブロデイが到着、望遠鏡で兄弟とモラグ嬢を認める。目をさましたモラグ嬢は兄弟、車の音に気づき、庭の向こうに行くが、すぐキュザンヌも起き、彼女がいないことに気づく。
納屋から外に出たアンガスがモラグ嬢にきずき、さらうがすぐキュザンヌが襲い、取り返す。しかし台所に戻ったところフォックスとで会い、これを撃つが自分も肩を撃たれる。キュザンヌはモラグ嬢の手当を受けた後、二人で逃げ出し、ちょうど動き出した貨物列車に乗り込み、眠りに落ちる。デヴリンの報告を受けたファーガソンはとにかくロンドンに戻るよう指示。
flatly=冷たくoaf=うすのろbracken=わらびbisect=二等分するrickety=ぐらぐらするcuddle=ぴったりと寄り添うfern=しだaffix=貼るdusk=夕闇elate=意気を揚げさせるsnuggle=気持ちよく横たわるsepsis=敗血症
14一眠りしたキュザンヌとモルグ嬢は列車をおり、近くのカフェに行く。ついに別れる決心をし、彼女はロンドンにゆくトラック運転手ジャクソンを見つける。しかし暴走族が襲ってきた。近くにいたキュザンヌが助け、彼もトラックでロンドンに向かうことにする。
アリタリア航空で法王が到着。デヴリンとファーガソンが待機している。ジャクソンは、カフェにより新聞で見て二人がお尋ね者であることを知るが、そのまま運転を続ける。ファーガソンはデヴリンにカンタベリー行きを命じる。二人はタロットゲームで行く末を占っている。
デヴリンはスーザンと言う美人警官をあてがわれて、カンタベリーに向かう。キュザンヌとモラグ嬢はオバサンを尋ねるが、今週はカンタベリー近くのメイドストーンに言っているとのことなので、パーキングロットにある車を盗んでそれで向かう。
jolt=振動するcelibate=独身のscald=やけどするtow=引っ張るrubble=破片、がれき
15スーザンがデヴリンにカンタベリーの説明をしているところにファーガソンがあらわれ、水も漏らさぬ警戒態勢だが心配と話し合う。キャラバンの中で二人はむつまじい。キュザンヌは老婆にタロット占いをしてもらう。一晩眠った後キュザンヌはモラグ嬢に「私が出ていったらファーガソンに連絡を取るように。」と言い残して去って行く。
ロンドンで祈りを終えた法王は、ヘリコプターでカンタベリーに向かう。ストッキーホール近くに車を止めたキュザンヌは銃をしのばせ、法衣に換え痛みをこらえながら車を出る。デヴリンはモラグ嬢に事情を聞くが詳細は分からない。デヴリンはスーザンに彼が最良の友であったと話す。キュザンヌはツツジの植え込みからヘイを乗り越え建物内に侵入。デヴリンはストッキーホールの門衛がだれも怪しい者は通らなかった、という証言を聞き「もうすでに入っている。」と確信する。キュザンヌは通りがかった尼に「私はダブリンの司教だがカンタベリーから司教からのメッセージを携えてきた。」と接近。祈っている最中と聞き、そちらに行く通路を聞き出し、向かう。尼から事情を聞いたスーザンとデヴリンが後を追い、廊下でキュザンヌを発見するが、デヴリンは撃たれてしまう。祈っている法王にキュザンヌは銃を向けるが後ろからきたスーザンに撃たれて死ぬ。
blitz=猛爆watertight=水も漏らさぬredemption=あがないrhododendron=つつじ
resplendent=輝くhallow=神聖な物としてあがめるPontiff=教皇contrition=悔恨
エピローグ キュザンヌが土に埋められる。デヴリン、ターニャ、モラグ嬢、スーザン等が出席。
sling=つり包帯cliche=決まり文句gallantry=勇敢、武勇