ハヤカワ・ミステリ文庫 THE WAY SOME PEOPLE DDIE 中田 耕治 訳
ミセズ・サミュエル・ローレンスの依頼は「クリスマスの数日前、娘のギャリイが消息を絶った。探してほしい。」ギャリイが看護婦をしていた病院を訪れると、ギャリイは重傷を負ったギャング、ハーマン・スピードを看護していたが、その手下のジョオ・タランタインと共に姿を消していた。
ところが彼らのボス、ドウザーもまたジョオとギャリイを追っているという。ジョオが彼らの金とヘロインを盗み出して消えたらしいのだ。やっとギャリイを見つけすが意外な結果が待っていた。ジョオは消えてしまったが、ギャリイはジョオと結婚しており、帰る気はない。突然何者かに襲われ、気を失った。気がついてみると案内してくれたジョオの友人キース・ドーリングの射殺死体があり、ギャリイは消えていた。
警察の捜査で近くから凶器がみつかった。何とリュウの所持していた銃で、リュウは殺人の疑いまで掛けられ、防戦一方。さらにヤクザと知り合い、離婚までしたマージョリイ・フェローズの話などあるが、省略する。
実は犯人は、ジョオが組織から横領する金とヘロインを目当てに結婚した。ジョオを抱水クロラールで眠らせ、冷蔵庫におしこみ窒素死させた後、キース・ドーリングに海に投げいれさせた。さらにキースに襲われたリュウが気を失っている間に、リュウの銃でキースを射殺した。そして最後に真相を知ったジョオの兄マリオまで惨殺した。
それにしてもヘロインは取り替えしたものの、あの金はどこに消えたのだろうか。母親は今もってかたくなに娘の無罪を信じているのだが・・。
作者が派手に売り出す以前の初期の作品である。母親の依頼で失踪した娘の行方を捜すが、娘はギャングの手先から金を奪うワルに成長していた、という話。最後まで娘を信じる振りをする母親の態度が、作者が後年家庭問題を主体に多くの作品を残したことを思い起こさせる。
(1951 36歳)
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