ホワイト・ジャズ       ジェイムズ・エルロイ


文春文庫  WHITE JAZZ 佐々田 雅子訳

 おれは、ギャングともつながりのある弁護士資格をもつLA市風紀班警部補、上司はおれのきらいなエクスリー刑事部長。おれはかってはギャングのボスミッキー・コーエンとうまくやっていたが、彼はいまは4人の部下を殺され、元気がない。現在の大物麻薬密売人で警察と癒着したカフェスジアン宅が襲われ、切り裂かれた衣服が散乱し、警護のドーヴェルマンが惨殺された。
 映画会社、航空会社を経営するヒューズと金で契約し、コーエンのおかしな映画を作っている女優グレンダ・ブレッドソウの調査を依頼される。しかし接触を重ねるうち、彼女が好きになる。ヘリック一家が惨殺され、行方不明になったリッチーが疑われる。
 かってあい携えて密造酒の製造に手を出し、巨利を得たカフェスジアンとヘリック。そしてその巨利を横取りしようとしたダドリー・スミスとジュニア等の警察連中。彼らはついに不純な酒で4人を結果的に殺すことになった。しかしそこに復讐を誓う男の出現、ワイリー・ブロックだ。ジュニアもあのリッチーも抗争中に殺された。スミスはおれがブロックに襲わせたが廃人となった。ついにカフェスジアンも逮捕された。
 しかしおれも、エクスリーがかばいきれないほどの罪状を抱えた。ヒューズに捕まえられ、リンチを受けるがどうにか逃げ出すことは出来た。

 イメージが先行する体言止めの文章は、取っつきにくい。また殺人につぐ殺人は、読むものを辟易させる。それでいてスケールが大きく、巨悪と警察内部が絡み合い、抗争する、何か悲しげなジャズを聴くように心を揺り動かす、そんな作品である。

・ナトリウム・トリクトザイン(ありの毒として知られる。)を混入したハンバーガーで毒殺。ステルファクテイズナイド・クロライド(ドライクリーニングで使う薬)による麻酔。(82P)
・受話器を置いて、音量を上げる。エリントン/デイニーン・・・「コットンテイル」。思い出・・・42年・・・海兵隊。メグ・・・同じ局・・・エル・コルテスのスカイルームで踊っていた。生々しい今・・・ろくでもない16年が過ぎた。(268p)
・家に釘付けのカフェスジアン一家、閉所整発熱・・・連邦の連中が家の前、後ろに。因縁で結びついた家族・・・奴らに教えてやろうにもすべがない。おまえたちとヘリック家・・・共に金持ち。割られた酒瓶/薬を盛られた犬/壊されたレコード・・・殺人/自殺/去勢・・・オレには分かる。いずれおまえたちはおれに話し、誰かに話すことになる・・・おれは絶対に追及の手をゆるめない(461P)
・強くて卑劣=エクスリー。強く/用心深く/貪欲=ヌーナン。二人とも利用しろ。戦い/のたくり/嘘をつき/懇願し/操れ。(461P)

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