絞首台の謎    デイクスン・カー


創元推理文庫 THE LOST GALLOWS 井上 一夫 訳

 前世紀の遺物のようなロンドン「プリムス・クラブ」に、放り出されていた不気味なほど精緻な絞首台の模型。霧深いロンドンに忽然と表れた地図にない町と大きな絞首台。霧の中を失踪するリムジン、しかし運転していたのは「プリムス・クラブ」住人エジプト人富豪エル・ムルクの運転手で、喉を掻き切られた死体。そして17世紀絞首刑吏ジャック・ケッチからの殺人予告。この幽霊めいた話しに名探偵アンリ・パンコラン、元ロンドン警視庁副総監ランダーボーン卿、そして私ジェフ・マールがのぞむ。
 ガードの警官が殺され、エル・ムルクの情婦ラヴェルヌ嬢が連れ去られたあたりから殺人者の目的がはっきりしてくる。昔起こったラヴェルヌ嬢をめぐる恋の鞘当て、しかし二人の男に決闘をけしかけ、一方が死に、他方が捕らえられて獄中自殺。勝った男こそエル・ムルクだった。
 しかし、余りにもこちらの情報が漏れすぎる、「プリムス・クラブ」に秘密のい隠れ家があるのではないか、と探し出す。そして罠をはり捕らえてみれば、ホテルの頭の足りない小人のボーイテデイになんと獄中自殺した男の父ランダーボーン卿・・・・。

 それにしても死人の自動車の暴走は実は小人のテデイが乗っていて助手席から運転していました、奇怪な本、木彫りの人形、縄等は上から落とした、地図にない町は「プリムス・クラブ」の裏にあり、大きな絞首台は窓に映った模型の影・・・・少し無理があるんじゃないとも言いたくなる。ただ、そういう場面を通じて霧の町ロンドンの雰囲気、物語のおどろおどろしさが出ているところは事実だが・・・。

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