孔雀の羽根      カーター・デイクスン


創元推理文庫 THE PEACOCK FEATHER MURDERS 厚木 淳 訳

 「x月x日x時に、ロンドンxxxに十客のテイカップが出現するでしょう。つつしんで手と警察のご出席をお願い申し上げます。」との不思議な予告状。出かけてみるとそこは空き家、テーブルには10客の高価なテイカップがセットされ、床には男の死体。犯人は捕まらなかったが、なんだか、クリステイの「予告殺人」を思わせる書きぶり。
 2年後、同じような予告状。指定された場所はやはり空き家。その4階の部屋にはすでにテイカップがセットされ、呼ばれた冒険ずきの金持ち青年キーテイングが人待ちにしている。警官たちは建物の出入り口を固め、隣の部屋には警官を張り込ませ待機。ところが予定の時間になると、突如2発の銃声が鳴り響き、あわてて飛び込むとキーテイングが床には射殺死体。まさに大仕掛けの手品のような人間消失!
 この謎に例のH.Mことヘンリー・メリヴェール郷がのぞむ。ガス管の中に拳銃が仕込まれていた、寝椅子の中に隠れたなどのアイデアがでるが皆否定される。
 実は犯人は、隣の建物から最初の一発を撃った。それから撃鉄を起こした銃を投げ入れたところ、うまい具合に暴発して二発目の玉が被害者にあたった・・・・なんぼ、なんでもこじつけのような気がするが、どうだろうか。ちょっとがっかり。

 ただこの犯罪、女が遺産欲しさに、別の男を使って起こした殺人劇なのだが、女の罪を問うのは難しいところかもしれない。
 なお第一の殺人劇は恐喝材料を高価なテイカップと交換で引き取ろうとした美術商の犯行。両方とも相手を信用していなかったから、恐喝した方が実は警察に予告状を送った。美術商の方は運搬の関係でテイカップをおいてきた、と言うもの。第二の殺人劇は第一の殺人劇を真似たもの。

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