にぎやかな眠り     シャーロット・マクラウド

創元推理文庫  REST YOU MERRY  高田恵子訳

シャンデイ教授はパラクラヴァ農業大学でカブの新種開発に取り組んでいる代わり種、妻は他界し一人暮らしをしている。しかしクリスマスはうんざりするシーズン、なぜならふだん静かな大学町が、このときばかりはにぎやかなイルミネーションに飾られ、観光客がどっと押し寄せるからだ。そこで今年はひとあわふかせようと自宅に8頭のトナカイの飾りをつけ、時間になればものすごいヴォリュームで音楽が鳴り出すようにして、自分はクルージングに・・・。ところが戻ってみると明かりは消え、自宅には友人の妻にしてお騒がせおばさんジェマイマ・エイムズの死体。

死体は撲殺され、運ばれたらしいのだが、エイムズが出てゆく姿を認めたものはいない、ただしサンタをそりに乗せて運ぶ妖精らしき者を認めた者がいた。

ジェマイマは、図書館で少し前打ち捨てられかけていた某教授の遺品である書籍の整理の仕事をしていた。ほとんどはかどっていなかったが・・・・。一方でシャンデイ教授はその後釜にやってきたヘレン・マーシュと淡い恋に陥る。

そして大学の監査役で会計係を勤めていたベン・カドウールの死。試飲は点鼻薬にしこまれたタキシンだった。二つの殺人、それに書籍の整理、大学の経理等はどのような関係で結ばれているのだろうか。謎が謎を呼びながら話が展開してゆく。

ユーモア・ミステリーという感覚なのだろうか。しかし推理小説としてなかなか面白い。

タキシンのほか、死体運搬にサンタクロースのヌイグルミが用いられるなど、工夫が見られた。デイクスン・カーの「妖魔の棲む森の家」を思い出した。