悪徳警官    W.P.マッキヴァーン

創元推理文庫 ROGUE COP 中田 耕治 訳

カーモデイ警部補は、町を牛耳るギャングのボスアッカーマン等と気脈を通じる悪徳警官だった。
しかし弟のエデイはまじめな堅物の警察官、その彼が殺人事件の容疑者デイラニイについて証言をしようとしていた。
デイラニイは自分は、死刑になるならすべてを話すと公言、アッカーマンからエデイが証言をやめるよう説得を依頼された。
しかし、失敗。アッカーマンはだまし討ちのように弟を殺してしまった
カーモデイは復讐にもえる。
アッカーマンは、子分の情婦のナンシーの口もふさいでしまった。
なぜデイラニイの証言をアッカーマンは恐れたのか。
アッカーマンが恐れる唯一の男が実は存在した・・・・・。
真実をつかんだカーモデイとアッカーマンが対決の時を迎える。

大組織を向こうに回して一歩も引かないカーモデイに、一匹狼の悲哀と挫折感の様なものを感じる。
迫力は十分で面白いハードボイルドだ。
しかし主張が時々一人よがりのように聞こえたり、筋が単純すぎることがどうも一歩食い足りない感じを与えた。

・なにか欠点があったとしても、それを一所懸命克服するならば、その欠点を通して強くなれるというのだ。(192P)
・マッギヴァーンの場合でいえば、その感情が強く、時に激しいほどで、想像力に恵まれ、鋭い観察力をそなえているタイプの作家であって、 そういう作家にして初めて時代に対する断罪をなしうることなのだ。 つまり、推理小説の中で「探偵」が「犯人」を追いつめる行動と・・・ 作家が現実を追いつめることが、マッギヴァーン、ロス・マクドナルドにおいては間然とするところがなかった。(273P 中田耕治の解説)