あなたに似た人    ロアルト・ダール

ハヤカワ・ミステリ文庫 SOMEONE LIKE YOU 田村 隆一 訳

おとなしい凶器
妊娠していながら、別れ話を持ち出されたメアリ・マローニは冷凍した羊肉のかたまりで、夫を殴り殺してしまう。
警官たちが来て捜査を開始するが、凶器がわからず、捜索は難航する。
メアリは彼らのためにオーブンで焼いた羊肉をサービスする。
凶器を警官たちが喜々として食べるエンデイングがミソ。
南から来た男
プールサイドにやってきた気に入らないアメリカ人に金持ちのイギリス人男は賭を申し込む。
「君のライターが10回やって10回ともついたら、僕のキャデラックをあげよう。だめだったら、君の小指をおくれ。」
エイトまで数えた時、女が飛び出てきて馬鹿な賭をやめさせる。見ると女の手には、親指と、ほかの一本の指しかなかった。
わがいとしき妻よ、わが鳩よ
ポーカーの強い夫婦を招待したアーサー夫妻はいたずら心から、寝室に盗聴器をしかける。
幸運にもポーカーに勝ち、分かれて寝室の夫婦の会話を聞き始める。
「なにドジを踏んでるんだ。こっちの手つきで手札がわからなければだめじゃないか。」
それを聞いたアーサーの妻は
「さあ、私の手つきで私の手札がわかるように練習しましょう。」
海の中へ
「今日一日でこの船が何マイル走るか賭けます。」
外は荒れ模様。男は船が進まない方に賭ける。一眠りして目が覚めるとべたなぎ。
事故に見せかけて海に飛び込めば助けざるを得ないだろうから、距離はでないだろう。これしかない。ドボーン!
だけど助けを呼ぶはずのご婦人は「とっても変なのよ。」と行ってしまった。

気の弱い、しかし億万長者のペイシル郷が気だけはめっぽう強い女と結婚。
それから7年か8年。女は得意、亭主は尻の下。
 ある日女がお付きのの男と庭を散歩中、木製のヘンリー・ムーアの彫刻の穴の部分に首を突っ込んだところ抜けなくなってしまった。侍従が鋸と斧を持ってきた。  
「どちらにいたしましょう。」
皮膚
 歳をとり、落ちぶれた老人ドリオリはウインドウに昔の友達が描いた絵を見てびっくり。
彼の背中にはその友達の描いた入れ墨が彫ってあったのだ。
 しかし、展覧会で見せびらかしたのが運の尽き。
 おいしいものに誘われた彼の背中の入れ墨は数週間のうちブエノスアイレスで額に納まって、売りに出されていた。
告別
 少しは好きだったジャネットが陰で私の悪口を言っていると知って、私は復讐を決意。
 女を描くときまず裸を描き、それから下着を描き、最後に上着を描く画家ロイデンに頼んで彼女の全身像を描いてもらう。  
そして、上着を丁寧に除いて、紳士淑女を呼び、大公開。私はトンズラ・・・。
クロウドの犬
 全く同じ犬を2頭そろえてドッグレースで金儲けをたくらんだ私。
 まずドジな犬が何週間も負け続ける。
 そして、最後に強い方を出して乾坤一擲おお博打。圧勝して大成功。
 ところが賭付業者はもっとひどかった。
「おまえさんの賭けた犬は違う犬だよ。」

「ワインの名前が当たるかどうか賭けましょう。私が当てたらお嬢さんを下さい。負けたら家を2件差し上げます。」
あたりっこない、と賭けに応じたが、客は見事に当ててしまう。そこに侍従が飛んできて
「お客様の眼鏡がワインのおいてあったグリーンの書棚の奥に落ちていましたけれど・・・」