ハヤカワ・ミステリ文庫 FER-DE-LANCE 佐倉 潤吾 訳
私は、大酒のみだがひどく頭のいい私立探偵ウルフの助手をしている、アーチー・グッドウイン。
「金属細工師の兄、カルロが行方不明になった、探してほしい」と妹からの依頼。
彼は林の中で短剣で背中を刺されて死んでいた。同じ頃、ホランド大学の総長、オリバー・バーストウがゴルフ中に倒れた。
心臓発作と一時発表されたが調べてみると、ドライバーのグリップに仕込んだ蛇の毒を塗った針が、ばねじかけで飛び出して、それが刺さったものだった。
我々は何者かがカルロに仕込みドライバー製作を依頼、それで総長が死に、カルロは秘密を知っていたために殺されたと考えた。
総長のゴルフ道具はいつの間にかなくなっていたが、キャデイたちの証言から、総長はそのときパートナーのクラブを借りたことが分かった。
パートナーは株式仲買人のキムボールとその息子のマニュエル。
してみると本当の殺人のねらいはキムボールだった!!キムボールは昔、アルゼンチンで不義の妻を殺し、そのため息子のマニュエルはその後拾われたものの、一時は非常に苦しみ、父をうらんでいたのだった。
マニュエルが最後は居直り、毒蛇をウルフに贈るなどするが、ついに追いつめられ、キムボールとともに好きな飛行機に乗り大空に散る。
話を分かってから書くと簡単だが、それまでの主人公の捜査の苦労がひとつひとつ順序を踏んで克明に書かれているところが面白い。
ウルフもよく書かれている。特に最初のころ、ひょっとしたらお母さんの犯行と考えた総長の息子や娘が不自然な証言を繰り返すところがいい。また話もすっきりしている。
* 蛇の毒
* 機械殺人
* 人違い殺人