エジプト十字架の謎    エラリー・クイーン

創元推理文庫 THE EGYPTIAN CROSS MYSTERY 井上 勇 訳

 クリスマス、ウエストバージニアのアロヨと言う小さな村で、小学校校長ヴァンが首なし死体となってT字型の十字架に磔られ、、その下男クリングが行方不明となった。それから6ヶ月後、ニューヨークのロングアイランド島で敷物輸入商のトマス・ブラッドが同じ様なやり方で殺される。ブラッドの共同経営者で船旅にでていたステイブン・メガラが戻ってくる。
 クイーン父子が捜査に乗り出す。その結果、ヴァン、ブラッド、メガラは兄弟で昔ルーマニアからでてきたが、彼らをクロサックという復讐鬼が追っていること、最初に磔になった校長はどうやら、ヴァンではないらしいことが分かった。
 厳戒の中、今度は船の上でメガラが同じように殺される。本当のヴァンが危ないと考えたエラリー等が駆けつけると、山小屋で彼らしい男が、同じように処刑されていた。
 再びクイーン父子はわずかな手がかりをもとに、クロサックなる男を500キロに渡って追跡する。そして最後にクロサックを追いつめ逮捕し、その顔を白日の下にさらすとなんと三兄弟の一人であった。クロサックを返り討ちにした犯人が、兄弟二人をクロサックの復讐に見せかけて殺したものだった。

 首なし死体の連続で誰が本当に殺されたか分からないところが鍵。高木彬光の「刺青殺人事件」などと考え方は同じである。

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