創元推理文庫 THE GREEK COFFIN MYSTERY 井上 勇 訳
ニューヨークで美術商ゲオルグ・ハルキスの葬儀が行われたが、遺言書が無くなっていた。遺言書を探してエラリー父子等が棺をあけると、ハルキスの死体の上にもう一つ刑務所からでたばかりのアルバート・グリムショーのの死体がのっかっていた!
コーヒーカップのあとから、エラリーは最初、ハルキスがグリムショーを殺したとするが、あっさり新証人がでてひっくり返されてしまう。次には画廊支配人が、数々の状況証拠から疑われるが、彼は頭に銃弾を浴び死体となって発見される。追求されての自殺かとも思われたが、ドアがしまっていて、外で銃弾が発見されたことから、殺されたものと考えられた。
グリムショーが、英国ナショナル美術館からダ・ヴィンチの名画を盗み出し、それがハルキスを経て、富豪のノックスの手に渡っていたこと、グリムショーがその費用を、遺産はあるが、現金のないハルキスに請求していたことが明らかになる。
そしてハルキスが死んだため、ノックスの元に金を払えの脅迫状・・・今や、グリムショーの相棒こそが犯人と言うことになる。エラリーはその相棒は現場に居合わせた、タイプライターがノックスのものだったことなどから、ノックス自身だと指摘し、逮捕する。しかしこれはエラリーのめくらまし作戦。さらにエラリーは、ダ・ヴィンチの名作は同じものが二つあるとのデマを振りまき、網を張る。
犯人は見事に罠にかかって絵を盗み出し、納骨堂で二つを比較しようとしたところを逮捕される。その顔は、何と・・・・。間違えながらもエラリーの理論的推理がさえるところが面白い。棺に死体を二つ入れる発想はシャーロックホームズ最後の挨拶の「フランシス・カーファクス姫の失踪」やデイクスン・カーの作品にみられる。
・可能性のあるあらゆる場所を探し、人もチェックしてでてこないなら遺言書は棺の中にあるに違いない。
・棺の中の遺言書を盗ったのは、だれも棺をあけなかったというなら、死体を放り混んだ犯人に決まっている。
・6人分はいる紅茶の中の湯が5人分残っているのに、3つのカップに飲んだ後があると言うことは無理に3人いるように見せようとしたトリックだ。
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