ひらけ胡麻!
ひらけ胡麻! マイケル・ギルバート
創元推理文庫 THE DOORS OPEN 中川 龍一 訳
会計事務員のパデイは、会社帰りの列車の中で、隣家の男に出会ったが、彼はピストル自殺を企てようとした。
彼は、スタラグマイトという保険会社に32年つとめたが、突然馘首されたのだという。
幸い、自殺は未遂に終わったが、翌日近くの川の中からその死体が発見された。
警察は自殺と考えたが、彼は翌日朝、隣家の電気がついていたことを思いだし、他殺ではないかと疑う。
パデイが友人のナップとスタラグマイト社社長リゲイト氏、隣人の上司の会計課長にあうなど、殺された男の事を調べ始めると、秘密の扉を開いたかのように自分自身が事故に見せかけて殺されかかるなど、小さな事件が次々とおこる。
パデイは、はっきりしない罠に落ち、労務者を列車に突き落とそうとしたと訴えられる。
しかしナップの叔父のシーダーブルック卿の援助で、助けられる。
卿の調査の結果、スタラグマイト社の悪事とリゲイト氏が共産党員で当局からマークされている人物であることが明らかになる。
しかし昔を知るポッツ医師は自動車の排気ガス事故に見せかけて殺された。
そしてベアステッド氏の会社乗っ取り裁判で、卿の意を受けた弁護人ヒルトン・カーヴァ氏は、リゲイト氏のやり口と前歴を暴露し、大混乱になる。
リゲイト氏の意をうけた暴力団等がパデイ、ナップ、卿をおそうが危機一髪で皆救われる。
リゲイト氏は共産圏への脱出をはかるが・・・・。
典型的な巻き込まれ型事件である。
映画の場面を見せるように、説明なく描写が始まっており、読者は面食らうが、臨場感は十分である。
車の排気ガスによる殺人は一酸化炭素中毒によるものか、二酸化炭素中毒によるものか
ガソリンで走る小型貨物のCO規制は2.1g/kmであるがこれは0.1ー0.2%と思われる。規制がないと考えればこの数倍かも知れない。空気中における一酸化炭素濃度と中毒症状の関係は
0.16% 20分間で頭痛・めまい・吐き気・けいれん 2時間で失神
0.32 5ー10分で頭痛、めまい、30分で死亡
一方空気中のCO2と症状の関係は10%で「早急に意識不明となり呼吸が停止して、やがて死に至る・・・。」
この書の場合、車のおいてある物置で死んでいたのだが、長時間を考えれば一酸化炭素だろうか。