ジェリコ街の女

ジェリコ街の女     コリン・デクスター

ハヤカワ・ミステリ文庫 THE DEAD OF JERICHO   大庭忠男訳

あるパーテイの会場でモース警部はジェリコ街に住む女性アンに出会い、妙に引かれる。
ところが数ヶ月後に尋ねた直後彼女は首吊り死体となって見つかった。
彼女はかって小さな出版社社長チャールズ・リチャーズの秘書をしていた。
彼には気の弱い弟とやさしい妻のジェニファーがいたがアンと愛人関係にあったらしい。
別に未亡人マードック夫人の息子のマイケルやエドワードとも親しかったらしい。
やがてチャールズをアンとの関係で強請ったらしいジャクソンが殴り殺されるにおよびモースの頭脳はめまぐるしく回転しだす。
結局アンは、恋しているマイケルが、かって事故死した夫を車ではねた男で、しかも実の息子と知って、オイデイプス的な罪の強迫観念から自殺したもの。
一方ジャクソンは隣人の協力を得ながらアンからの手紙をたよりにチャールズを強請ったが殺されてしまった、チャールズは弟に成りすますなどしてアリバイを作ったなどというのが真相。
複数視点から、事件をこきざみにかき出してゆき、最後に纏め上げるという手法を使っているため、ちょっとわかりにくい。
モース警部の魅力はよく出ているが、アンの死が自殺というのはなぞ解きの観点からは物足りない。
いずれの殺人(自殺)にもトリック性は少ない。