ハヤカワ・ミステリ文庫 COP HATER 井上 一夫 訳
ニューヨークに似た架空の都市、アイソラ市87分暑、刑事リアダンが夜勤に向かう途中、45口径の2発の弾丸に顔半分を吹き飛ばされて即死した。
フォスターがアパートに帰る途中、背後から襲われ、またも45口径の餌食となった。
同僚のステイーブ・キャレラ等は、憤怒に燃え犯人検挙に全力を注ぐ。
愚連隊の少年たちを取り締まっていたクリングが22口径で打たれた。
しかし、今度は、少年たちが、しつこく取材するサヴィッジ記者と間違えて撃ったに過ぎないことが分かった。
キャレラの相棒のハンク・ブッシュの妻アリスは、美人で肉感的、日がな一日アパートで彼の帰りを待っていた。
そのハンクが、45口径を持った黒服の男に襲われて死亡した。
しかし彼は犯人の肩をうち、髪の毛をむしり取っていた。重要な手がかりだったが、前科者の中に該当者はいなかった。
サヴィッジが、キャレラが犯人について情報を持っているような記事を書いた。
犯人はメキシコに逃げようと考えていたが、キャレラがどの程度知っているか心配になった。
キャレラの自宅を襲い、恋人のテデイを捕らえて、キャレラを待った。
しかし、一瞬のテデイの機転で、キャレラに撃たれ、逮捕される。
男は、実はアリスに頼まれて、次々に犯行を重ねていた。
アリスは、ハンクが嫌で嫌でたまらなかった。
しかし分かれてくれるような相手ではない。
死んでしまえ!!警官連続殺人にみせかけ、夫を殺そうとしたのだった。
殺したい人間は一人だが、それをごまかすために共通の複数の人間を殺す手法は、クリステイのABC殺人事件を思い出させる。
しかし、この作品はキャレラを中心とする87分暑の警官たちの人間くさい面が存分に描かれているところが面白い。同時にこの作者の雰囲気描写の素晴らしさに脱帽する。
・警官というと誰でも嫌な顔をするし、特にデカになるとひどい。確かに「いらっしゃいませ、デユーガンの旦那、今晩は」というような調子で迎え入れられて・・・(36p)
・いわば安アパートの中の匂いは、人生の匂いなのだ。人間生活のあらゆる作用の匂いだ。汗をかき、料理をし、排泄し、子供を育てる匂いだ。こういう匂いすべてが、わっとひとかたまりのすごい匂いとなって、1階の玄関に入った途端に鼻をつく。(43p)
・髪の太さと年齢の関係 生後十二ヶ月 0.024ミリ・・・・成人 0.07ミリ(209p)
・汗の分析(247p)
* 無差別殺人