消えた玩具屋 エドモンド・クリスピン

ハヤカワ・ポケット・ミステリ THE MOVING TOYSHOP 大久保 康雄 訳

詩人ギャドガンは、保養に出かける途中、夜間オックスフォードに入った。
ある玩具屋の戸が開いていたので、好奇心から忍び込んでみた。2階にはだれもおらず、1階に降りると老婆の死体。
警察に届けようとした瞬間、何者かに殴られて気を失う。
数時間後に気がつき、警官とともに駆けつけると、玩具屋も死体もなくなり、食料品屋に変わっていた。
同僚の大学教授と調査を進めるうち、金持ちの老嬢スネイスが、身寄りがなかったので、生前親切にしてくれた5人に自分の財産を秘密信託の形で遺贈することとしたことがわかった。
相続開始は新聞求人欄で5人にコードネームを使って知らされ、彼らは老嬢から渡された書類を銀行に持参し、引き換えにもらった書類を弁護士に持参し、遺産要求を申し出る。
相続は、形式上は担当弁護士ロシターを受取人とするが、申し出のあったものに対し、弁護士から与えられるものとした。
ところがロシターが受取人に入っていなかったため、彼は他の受取人とかたって、受取人の一人のターデイという旅行好き老嬢を殺した。
しかしギャドガンに見つかったり、あるいは女店員サリーに目撃されたりして、対策を講じなければならなくなった。店を食料品屋に戻すのもその一つ。サリーを押さえるのも一つ。
中半でいよいよとなり、ロシターがギャドガンを追いつめるが、仲間割れで殺されてしまう。
結局最後は一人また一人と相続人が明らかになってゆき、同時に彼らの罪状が暴露されてゆくというもの。

中半の死んだ老嬢にからくりがわかるまでは面白いが、後半は作者の見せようという意識が勝ちすぎてどたばた場面が続きすぎるように思った。
また後半にトリック、あるいはどんでん返しといったものがなく、 予想通り終わってゆくところも残念に思った。 オックスフォードという町には思い入れがあるらしく、そこでの立ち回りが多い。