新潮文庫 THE KREMLIN KISS 池 央耿
珍しくこの小説はスパイの家庭生活に焦点を当てている。
モスクワ駐在CIA工作担当官エデイ・フランクリンは、米国に別れた妻と二人の子どもを置き、今は若妻アンと暮らしている。
新米の英国MI6工作員ブリンクマンは着任早々ソビエトの穀物不足、輸入方針などをかぎつけヒットを飛ばした。
ソビエト国連大使ピョートル・オルロフは米国に恋人ハリエットを残し、帰国、党中央委員に推挙去れるが恋しさやまず米国への亡命を決意する。
別れた妻の子達の問題、オルロフ亡命問題等の処理のため、エデイはしばしば帰米するが、そのあいだモスクワがいやで堪らないアンはブリンクマンと通じてしまう。
ブリンクマンは留守宅に残されていた国連の電話番号からハリエットを見つけ出し、オルロフ亡命を嗅ぎ付け、横取りして英国に亡命させようとはかる。
しかし自宅にしかけた盗聴電話からエデイはすべてを知っていた。
偽情報をながし、モスクワを発とうとするオルロフを空港に足止めする。
オルロフは、帰英しようと空港に到着したブリンクマンに駆け寄るが、二人はパニックに陥り、逃げだそうとはかったところを射殺される。
・ロシア人は戦争恐怖症だ。かってヒトラーと戦って二千万の命が失われたことをいまだに忘れていない。・・・・戦争の脅威をあおれば・・・・。(77P)
・ソビエトのスパイ列伝(184P)
・ジェレミー・ブリンクマンとの間に起こったことは、いかなる意味に置いても夫に対する彼女の気持ちに影響を及ぼすものではない。、いやそれどころか、この事があって彼女は自分がいかにエデイを深く愛しているかを知ったとさえいえる。(235P)
・燐化合物を使った資料の焼却(406P)
・燐化合物・盗聴器