ハヤカワ・ミステリ文庫 PHANTOM LADY 稲葉 明雄 訳
夫婦喧嘩をしたスコット・ヘンダーソンはバーで大きな帽子をかぶった女を、今宵限りの条件で誘い、「カジノ座」のショウを見に行く。舞台では誘った女と同じ帽子をかぶった女が、単調なメロデイにあわせて踊っていたが、彼女はあきらかに誘った女に敵意を示した。その後、ヘンダーソンは「白い家」というレストランで食事をとった後、わが家に戻ると妻が寝室でスコットのネクタイで首を絞められ死んでいた。
逮捕されたスコットは、見知らぬ女と一緒だったと申し立てるが、酒場のバーテンも、タクシーの運転手も、カジノ座のドアマンも、レストランの店員も、彼は一人で来たと述べたてたため、アリバイが成立せず、死刑を宣告されてしまう。
しかし担当刑事のバージェスは、彼の犯行を疑い、再調査を始める。またスコットの唯一の友人、南米の石油会社に勤めるロンバートが、かけつけ応援をする。死刑執行14ー12日前、バージェスはバーテンの虚偽の証言に目をつけ、女におわせるが事故で死んでしまう。11日前ロンバートは、カジノ座から出るときにあったという乞食を見つけ、追求するがこれも階段から落ちて死んでしまう。10日前、バージェスは、カジノ座のドラマーに目をつけ、女におわせ、二人ずれが来たが虚偽の証言をするよう脅されていたことを証言するが、自殺してしまう。
9日前からロンバートは、女のかぶっていた帽子に目を付け、洋裁店、お針子の筋をおった後、当日のカジノ座のパンフレットを持っている者に目をつけ、ついにヘンダーソンのつれの女を見つけ、車で連れ出し、一緒だったことを白状させる。そして荒れ地に彼女を誘い込み、銃殺しようとしたとき、バージェスの声・・・「マーセラ・ヘンダーソン殺害のかどでおまえを逮捕する。」
犯行はマーセラにだまされたロンバートが、彼女を殺害し、すぐスコットの後をつけ、関係者に虚偽の証言をさせ、スコットに罪を擦り付けようとしたものだった。
スリルと犯人の意外性が魅力。殺人方法ではロープにつまずかせて突き落とす乞食の殺害、端まで金を渡すように誘導し、絨毯を引っ張って墜落させる方法などが面白い。
* 罠
* 死刑執行日というタイムリミットまでのスリル
* 墜落死
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