マイアミ沖殺人事件  デニス・ホイートリー

中公文庫  MURDER OFF MIAMI  土屋 政雄 訳

捜査ファイル・スタイルのミステリー
アメリカの石鹸王カールトン・ロックヘッジは、商売敵でイギリスの石鹸業界を握るボライソ・ブレーンを招待して、マイアミから南米にいたる豪華クルーを企画した。
以上二人の外、乗船者はデニンガム船長、ロックヘッジの妻フェリ、ブレーンの執事ストダート、ウエルター夫人、その娘夫婦、ビュード主教、ボンデイーニ伯爵、林伊之助など。
ところがマイアミをでてすぐに、ストダート等から、ブレーンがいなくなったとの連絡。
遺書らしきものから、ロックヘッジとブレーンそれぞれの企業は世界の石鹸市場を激しく争っているが、敗色濃厚となったブレーン側が悲観し、自殺したものと考えられた。
しかしカーテンについた血痕、絨毯の上の2本の線などから他殺説が復活。ストダートの証言、遺書等から犯行時間は、7時半から8時45分くらいまでの間、死体を丸窓から海に投げ入れたと推定された。
さて犯人は誰でしょう、というもの。 私は7時半以前に犯行が行われたと考え、ストダート犯人説を考えた。
しかし正解はブレーンがストダートを殺し、ストダートになりすましていたのだそうだ。
ストダートのものを着たから、背広がだぶだぶ、ストダートの剃刀を使ったから顔に傷がある、などには気がつかなかった。
殺人の動機がどうもはっきりしないし、石鹸業界のあらそい、日本人林伊之助のからみかたなども小説と言う観点から考えると不自然かも知れない。
しかし、謎解きゲームとして考えるともっともらしい証拠物件の写真がそろっており、 大変面白い。