ハヤカワ・ミステリ文庫 PARKER PYNE INVESTIGATES 乾 信一郎 訳
パーカー・パインは新聞に「あなたは幸せ?でないならパーカーパイン氏に相談を」の広告を出す人生相談専門、探偵ではない。
中年婦人の事件
夫にコケにされた婦人が相談に。若い男をあてがうと婦人は幸せいっぱい。しかしあてがった男の方が「おれはジゴロじゃない。」とかんかん。
不満軍人の事件
平穏無事な生活に何か不満な軍人が、パイン氏に頼みに来ると翌日ジョーンズと言う男に会いにゆけ。ところが途中空き家の中から女の悲鳴。危ういところを助けて、自宅に送ると父の残したスワヒリ語の秘密の書類を賊は追っていたらしい。翌日相談と出かけると女はあの空き家へ・・・。追うと軍人は二人組に襲われ、グルグル巻きに・・・。地下に放り込まれるとそこには例の娘。水が流れ込んできて絶体絶命・・・。すべてパイン氏のしくんだ事件。
困った婦人の事件
ご主人(夫人)のダイヤの首飾りを、間違えて模造品とすり替えてしまった。この本物と取り替えてほしい。パイン氏は若い男にご主人と夜会で踊らせ、停電を起こさせ、取り替えたふり。
しかしなんにもしなかった。最初から持ち込んだ女の首飾りの方が模造品と読んでいた。
不満な夫の事件
妻が浮気をしているらしいと無口な中年男。そこできれいな女をあてがい、キスまでさせる。
女房はあらためて夫を見直し、大成功かと思ったら、夫があてがった女に夢中に・・・。
・「僕は彼女が好きなんですよ。」
かわりに
「僕は彼女を熱愛しているんです。彼女が歩いた地面を礼拝する。彼女のためなら身をずたずたにされてもいい。」(85p)
サラリーマンの事件
何か現状に不満な平凡なサラリーマン。安い金で何かスリルは無いものか。そこでパイン氏は彼を重要な書類のオーストリアへの運搬人に仕立てる。うまくいって、当局からご褒美。
富豪婦人の事件
富豪婦人は金はあるが身よりもなく何か不満。しかしパイン氏が解決。モルヒネで眠らされ、気がついたときにはある農家のお手伝いに・・・。かんかんの婦人だがほかに行くところが無い。
半年以上たってから突然パイン氏。「あなたは今幸せですか。」「ええ・・。」
あなたはほしいものをみな持ってますか?
夫のメモに「ベニスの少し手前が最適の時だ。」婦人がベニスに旅行に行くと、途中で不振な火事騒ぎ。戻ると宝石箱が無い。不振な女を調べるが分からない。実は亭主が犯人。最初から模造品に変えておいた。事件の場所は海の上、不振な女は宝石箱を窓から外へすてただけ。
バグダッドの門
中東旅行の一行にお訪ねものの殺人犯。若いイートン校出身の男が殺される。
砂袋で殴り殺されたかとも思われたが、真実は煙草に仕込んだ青酸。 若い男は殺人犯の後輩で、殺人犯に「バグダッドにつくまでは黙っていてやる。」と約束していた。
シラーズの家
パイン氏も知っているイギリスの元大臣の娘と召使いが、こちらに中東に住んでいたが、そのうち召使いが事故死。
娘はふさぎ込んでいる様子。パイン氏が訪ねると、死んだのは実は娘、召使いが娘になりすましていたが、彼女は「自分が主人を殺したと疑われるのが恐ろしくて・・・。」イギリスに帰れない。
高価な真珠
アメリカの大金持ち事業家が中東旅行に参加。見学中、娘が高価な真珠のイヤリングをなくし、周りのものに疑いが・・・。考古学をやっている男が犯人。出かける前に失敬しておき、現場では鉛筆の先で彼女の耳を突っつきイヤリングを締めてやるふり、それから小石を落としてイヤリングが落ちたように見せかける。しかし、元々イヤリングは安物。
ナイル河上の死
嫌われ者の老婦人がナイルを船で旅しているときにストリキニーネカプセルを飲んで死亡。犯人は気弱な夫と考えられたが、結婚を反対されている娘の婚約者。
デルファイの神託
愛する息子が誘拐され多額の身代金要求。 パーカー・パインと称する男が、近づき偽のダイヤの首飾りを作らせて渡したらと提案。宝石商を紹介。
ところがこの二人が実は犯人。最後に本物登場で解決。