パンドラの箱     トマス・チャステイン

ハヤカワ・ミステリ文庫 PANDRA'S BOX 後藤 安彦 訳

保釈金貸付業者の依頼で私立探偵は、グリフィスを捕らえるが、彼は「ニューヨークの、ど真ん中で、ある日、大がかりな犯罪が起こる。」との情報提供。
16分暑署長カウフマン警視としては見過ごすわけには行かない。
しかし、警戒する中、メトロポリタン美術館で火事騒ぎ、その混乱に乗じて名画展の盗難、犯人たちは混雑する中をセントラル駅に逃げ込み、脱出に成功。
そして、犯人側から名画買い取りの要求、現金袋を積んだチャーター機は犯人たちの要求に従い、あちらにこちらに飛んだ後、ついにリンカーン自然樹林近くで投下する。
しかし当日の地下鉄乗客との徹底的洗い出しの結果、美術館に建築業者として潜り込んだ二人が突き止められ、一味は逮捕される。
実際にありそうな絵画強奪事件として書いており、現金を渡すやり方は天童真の「大誘拐」を思わせる。
犯人側と警察側の知恵比べが面白い。
グリフィスは、見覚えのある犯人の連絡先を知り、自分も一枚かむために、警察に情報を与えたのだった。
また盗んだ絵は、実は改造した美術館の中に隠されていた。
これで十分買い取り請求は出来るわけだ。