プレーグ・コートの殺人    カーター・デイクスン

ハヤカワ・ミステリ文庫 THE PLAGUE COURT MURDERAS  仁賀 克夫 訳

 黒死病の伝説がからみ、100年以上も打ち捨てられたままになっている古城プレーグ・コート。そこにはこ絞刑吏ルイス・プレージの遺体が眠っている。そのプレージの短剣が「死刑囚監房」から盗まれた。
 ハリデイの婚約者と叔母は、心霊学者ダーワースなる男が始めたあやしげな宗教に夢中になっている。弟子は他に腰巾着のデニス、婚約者の弟のテッド、退役少佐のフェザートン等。
 ハリデイは、スコットランドヤードの警部マスターズ等をつれて調査にその本部に乗り込む。幽霊屋敷に入った途端、大きな植木鉢が落ちてくるなど早くも不安。 ところが、闇の中、あやしげな降霊の儀式を行う中、石でできた厳重な密室の中で、ダーワースがおびただしい血を流し、突き殺されてしまった。そばには、犯行に使ったと思われる昔の殺人で使われた呪われた剣が・・・・。誰が抜け出したか、密室の謎は、殺人方法は・・・・。調査が難航し、マスターズは陸軍省情報部のH.Mことヘンリー・メルヴェール郷の出馬を要請する。
 しかしデニスが同じ方法で殺され、テッドが行方不明になる。実はダーワースは、奇跡を見せるため、猫の血を使ってわが身を汚し、切り傷も自分でつけて、相棒で妻のグレンダを待っていた。ところがダーワースは前妻を毒殺した男、グレンダは夫に殺されることを恐れており破局は決定的な仲。この機会を利用して彼を殺し、ついでに膨大な遺産を相続しようと考えた。石室で行われていた闇の中の儀式を、そっと抜け出した。その夜は雨が激しくふり、足跡もつかぬ位状況。塀をつたって屋根にへばりついたグレンダは煙突から岩塩の弾を消音銃で撃った。
 銃剣と岩塩という体の中に入ると消えてしまう弾を組み合わせたところが面白く、密室解明と共に物語のミソになっている。最後にデニスの場合は、グレンダが変装していたもので、 殺されたのはテッドだったことが、分かる。

(r991110)